夫婦間で「ありがとう待ちはしない」
── 結婚12年目だと伺っていますが、夫婦円満の秘訣はなんですか。
野波さん:世間ではよく、夫婦といっても感謝の気持ちを忘れないことが大事で、「ありがとうをお互いにたくさん言いましょう」と言うじゃないですか。そういう意味ではうちは逆パターンかもしれません。感謝を言葉にすることは大切だとは思いますが、お互いに相手からの「ありがとう」を待ってしまうようにはなりたくなくて、むしろ意識しないようにしています。
── ありがとうを待たない。深いですね。
野波さん:相手から「ありがとう」を言われるのを待つのではなく、相手から言われなくても自分が主体ですることがいいのかなと思っています。洗い物があればする、洗濯物が溜まっていたら洗うなど、お互いに最初から自分が全部するつもりでいれば、家事はどんどん進みます。
相手が何かしている姿に気づいたら「こんなにしてくれているんだ」と思って、ほかのことをやろうとも思えます。それに、意識しなくても自分がしようと思っていたことを先にしてくれていたら自然と「ありがとう」という言葉は出てきますよね。
お互いを補足し合わない関係で、「常に家事は自分がする」という気持ちでいることがいいということに気がつきました。夫婦の形はみんな違うと思いますが、うちの場合は夫婦それぞれでいても幸せ、一緒にいたらそれより10%増で幸せ、ぐらいの関係性でいるのが私たちには合っているのかなと思います。ケンカもしなくなったし、お互いをより助け合うようになりました。
── 明確にすることを分担してしまうと、どちらかがしていないときに相手への不満に繋がりますもんね。
野波さん:そうなんです。「なんでやってないの」という気持ちになるのではなく、「これやっておくよ」と、お互いが自分ごとにとらえているとうまくいく気がします。自分がするのが当たり前と思っていれば自分ばかりと言う気持ちにはなりません。家族だからチームであることは大前提ですし、夫婦だから、パートナーだからといって相手を変えようとせず、自分ができることを全力で頑張るスタイルに落ち着きました。