息子たちには「小浜島出身」と胸を張ってほしい

── 島の文化を大切にし、家族の時間を大切にする奥さまの姿勢は素晴らしいですね。子育てで心がけていることはありますか?

 

宮良さん:絶対的な子育て方針はありませんが、現在、小学1年生と3年生の息子たちが小浜島でのびのびと育ってくれたらと思います。小浜島は、島全体で子どもたちを育てている雰囲気で、みんなが知り合いで、誰に対してもあいさつする感じ。人が生きる、生活するとはこういうことだ、という日常や伝統が残っているんです。小浜島の人たちとの関わりや伝統行事を通して、子どもたちは社会で生きていくうえで必要なことを学んでいます。

 

もちろん、豊かな自然に囲まれた環境は言うまでもありません。民宿はとても忙しいですが、ツアーから帰って来て、夕食の送迎までの間は僕が家にいるので、子どもたちとの時間を過ごせます。民宿に予約が入っていないときは、家族だけで海遊びをしたり、自然と触れ合ったりする時間を大切にしています。

 

宮良忍
息子さんたちとシュノーケリングを楽しむ忍さん

── お子さんたちは、小浜島の伝統文化や自然に囲まれて成長しているんですね。宮良さんは、高校進学時に小浜島を出ましたが、お子さんたちにもいずれそんな日が来るかもしれません。

 

宮良さん:僕は中学1年生のときにチャゲ&飛鳥さんに憧れ、東京に行くと決めました。息子たちにも、僕がそうだったように憧れや夢を抱いて、自由に輝いてほしいです。僕が東京に行く1か月前に母は亡くなりましたが、その母が僕を応援してくれたように、僕も子どもたちのいちばんの理解者として、彼らを守っていきたいですね。

 

子どもたちには「小浜島出身です」と、堂々と胸をはって、故郷に誇りを持って生きていってほしいです。そして、「楽しんで行ってこい!」と、送り出したいですね。