いまはリピーターで予約の大半が埋まるまでに

── 大好きな故郷。しかし、民宿を継ぐうえで苦労はありませんでしたか?

 

宮良さん:幼少期から両親の仕事を見ていたので、だいたいの流れは把握していたため、自分だけでもなんとかなる、という自信はありました。2012年に経営を引き継ぎ、初期は作業を手伝ってくれる人に来てもらったりもしました。

 

建物自体も大幅なリフォームはとくに必要なく、そのまま営業を続けられる状態でしたので、それほど大変ではありませんでした。東京から来た友人たちを案内することも、以前からしていたことではあったので、観光のアテンド方法も頭に入っていたんです。

 

宮良忍
休みの日に小学3年生と1年生の息子さんたちと船で海へ

── お客さんを呼ぶ工夫は?

 

宮良さん:当時はまだSNSがあまり使われていなかったので、アメーバブログで広報活動をしました。ありがたいことに東京で過ごした時代に出会った友人や知人がたくさん訪れてくれて、早い段階で経営が軌道に乗りました。元の事務所関係者、プロデューサーのm.c.A・Tさん、ライブスタッフ、スタイリスト、ヘアメイクなど、多くの方々が何度も来てくださり、いまはリピーターで予約の大半が埋まっています。

 

── 東京時代の人間関係がしっかり続いているのですね。

 

宮良さん: みなさんに来ていただけるのはDA PUMPの活動のおかげであり、本当にありがたいです。むしろ、東京にいたときよりも、現在のほうが多くの人たちに会えています。「忍のところに遊びに行こう」という感覚でみなさん来てくれるからです。この間も、いっちゃん(DA PUMP のISSAさん)が来てくれました。彼とはいまでも家族ぐるみで仲よくしています。

 

 

民宿を継いでいまでは13年目を迎える宮良さん。10周年の節目には自身が理想とする船を新調するため、クラウドファンディングで資金を調達。3900万円以上が集まり、話題にもなりました。現在も新調した船にお客さんを乗せながら、故郷の美しい自然を堪能してもらえるよう、民宿経営に勤しんでいます。

 

取材・文/岡本聡子 写真提供/宮良 忍