「自分に自信を持ちたい」と一念発起し、7年間の垢抜けの様子をSNSで公開し注目を集めている35歳のいとみき(@itomiki_live)さん。そのきっかけは28歳のときに、未婚の母として子どもを出産したことでした。
「いいお母さん」像に縛られていた

── 外見を磨き続けた姿を発信しているいとみきさんですが、垢抜ける前は自分のことを「芋女」だと思っていたそうですね。
いとみきさん:容姿にものすごいコンプレックスがあったわけではないのですが、自分にとにかく自信がありませんでした。ファッションやメイクは「自分に似合うから」ではなく、「今の流行りだから」「人にダサいと思われたくないから」など、人の目ばかり気にしていたんです。
私はもともと役者を目指していたんですが、ほかの友達がきちんと会社勤めをしているなかで、夢を追っている引け目を感じていたことが大きかったかもしれません。その自信のなさが外見にも表れていたと思います。
また、その自信のなさの裏返しで、おしゃれな人のことをひねくれた視点で見てもいました。たとえば、おしゃれな人がひとつアイテムを吟味しているのを見ても、「そんなに違いある?」みたいな。
その後、俳優になる夢はあきらめて会社勤めをしました。28歳のとき、つき合っていた彼とのあいだに子どもを授かったんですが、彼と将来のことを話し合った結果、結婚には至らなくて。地元に帰り、未婚の母として息子を育てていくことになりました。地元に帰ると、友達や地域の方から「かわいそう」と言われることがあり、「なんで私は結婚できなかったんだろう」と、とてもみじめでした。
── つらかったですね…。
いとみきさん:自己肯定感は底辺でしたね。そのうえ、妊娠したことで13キロ太ってしまって。妊娠で太るのはしょうがないとは思っていましたが、出産後は外見に構う余裕がなく、自分の姿を鏡で見るのも嫌でした。
また、「母親になったんだから自分のためにお金や時間をかけてはいけない」という思いもありました。私の母が「母親は子どもが第一で、母親のやりたいことやおしゃれは二の次」という感じだったので、私も「子どもを優先するのがいいお母さんだ」っていう固定概念があったんです。動きやすい服とすっぴんが当たり前になり、おしゃれもしなくなっていました。