周りの人に感謝「人が私を作っている」
── そういう周りへの感謝は、AIさんの歌詞にも表れていますよね。
AIさん:そうですね、だから結局、そういう歌詞になっちゃうのかもしれないです。人が私の人生をいい方向に仕向けてくれるというか。命があって健康に過ごせてたら、もうそれだけでいいんですよね、本当は。別に私、寝るところもこだわらないし、服は好きだけど、自分だけだったらTシャツと短パンでもいい。自然があって、ご飯が食べられて、寝床があれば。
でも、自由が奪われるのは、いちばん嫌いでしたね。勉強とか、苦手なことをしないといけないのも嫌だったし。でももう、ついにやらないといけないときがきたんだよね。今までサボってたツケが回ってきたというか。高校のときに「君はここでやらないと終わるよ」って言われた、みたいな(笑)。そういうことがあって、人生で初めてすごく勉強しました。

── つらいときに自分自身を励ましていた言葉はありますか?
AIさん:「とりあえずなんでもやってみる」ということかな。一つひとつやっていくと、少しずつだけどできることが増えていくじゃないですか。達成感が増えていって、自信が積み重なっていくと思うんです。
私は、自分で自分を作ってはいなくて、人に作ってもらっていると思っていて。小さいときから、そうですね。私自身は、自由が好きなただの野生児、という感じ(笑)。「ちゃんとしよう」と思えるのは、周りが言葉をかけてくれたり、何かを教えてくれたりするからなんです。周りの人のおかげで「なんでもやってみる」ことができて、今があると思っています。
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勉強が苦手で投げ出しそうになったときも、助けてくれる人が必ずいた──。「私は自分を自分で作ってない。人に作ってもらってきた」と話すAIさんの言葉には、周りの人への深い感謝が滲んでいました。
取材・文/松崎愛香 写真提供/AI 取材協力/幻冬舎