「さすがに年齢差があり過ぎる」と躊躇も

藤あや子
自転車かごに愛猫のマルオとオレオが描かれているバックをのせて

── 徐々に距離が近づいてきて。

 

藤さん:はい。9月になると、私が引っ越しする話をしたら、「手伝いますよ」と言ってくれて、私やスタッフと一緒に手伝ってくれました。

 

10月に新車を買ったので「ちょっとドライブしてみない?」と誘ってみたところ、「え?いいんですか?」と言いながら、快諾してくれました。当初は河口湖に行く予定でしたが、高速道路で目的地を通り過ぎてしまったので、その先にある蓼科の馴染みのある旅館でランチをすることになったんです。

 

「近くにある、白駒の池の紅葉がすごくきれいですよ」と旅館の方が教えてくださったので行ってみたら、本当にきれいなところで、2人で感動しました。しかも、あとからわかったことですが、私たちが結婚した後に亡くなった夫のお母さまから「私たちの新婚旅行も白駒の池だったわよ」と聞いて、運命を感じましたね。ドライブをきっかけに2人で遊びに行くことが増えていきました。

 

ただ、当時私は55歳で彼は31歳。50を過ぎて24歳も年下の男性のことを思いながら、「何これ?さすがに年齢差があり過ぎるし、そんなのバツバツバツバツ…!」と彼への気持ちを抑えようとするんですけど、同時にやっぱり彼が好きだと気づいて、ご飯が喉を通らないこともありましたね。

 

── 旦那さんのどんなところに惹かれましたか?

 

藤さん:今でもそうなんですけど、何ごとにも動じない、どっしりとした安定感があるんですね。私もどちらかというと、そんなにあたふたしないタイプだと思うし、歌う仕事を長年してきたからか、どこか男性的な部分もあるんですけど。でも、彼と一緒にいると、あぁ、私も女なのね、と気づかせてくれるようなところもある、頼り甲斐があるところでしょうか。

 

10月の終わりころにはだいぶ親しくなって、お互いの気持ちが通じ合ってるような、交際が始まっていたような感じはあったような気はします。

 

12月になると街中がクリスマスのイルミネーションでキラキラしていて。「わぁ、クリスマスかぁ…」と乙女の部分が出ちゃったんでしょうね。彼に「クリスマスは何やってるの?」と尋ねたんです。そうしたら「何も予定がない」と。

 

私は24日のイブは(坂本)冬美さんたちとクリスマスパーティーをする予定があったので、「25日にご飯でも食べる?」と言って、2人で会う約束をしました。クリスマスにレストランで食事をしていると、彼がプロポーズをしてくれて。ここからは早かったですね。どんどん話が進んで、交際から5か月後の3月30日に入籍しました。この日は冬美さんの誕生日なので、この日なら忘れないだろうと思って(笑)。