農家に光を「情報発信して力になれたら」

タケノコ農家を続けながら、友紀さんと二人三脚で歩み始めた芸能の道。2025年3月、風岡さんは地元スーパー『食鮮館TAIYO』とプロモーション契約を結びました。静岡県内に15店舗を展開する新鮮食材のスーパーチェーンです。毎週チラシに登場し、1日店長を務めるなど精力的に活動。12月には撮影中のテレビCMが放送される予定とのこと。

 

「そのほか、自社スーパーに農作物を出荷している農家のもとへ行き、生産者の思いをヒアリングして、YouTubeを通じて消費者に伝える仕事を任されました。地元の農業を盛り上げたい、地域貢献したいという僕の考えと一致します。いちばんやりたかったことなので楽しみです」

 

風岡直宏
量産が難しいとされる白子タケノコを独自の工夫で実現した

風岡さんは「(国民の食を支える)縁の下の力持ちと言われる農林畜産水産業を主役にしたい」と、長年願っています。現実には一次産業に従事する人たちに明るい光が当たる機会はほとんどありません。台風被害や鳥インフルエンザなど、負の要素ばかりで取り上げられることを嘆きます。

 

「日本の『食』を支えているのは一次産業に従事している人たちにほかなりません。主役になるべき人にスポットが当たらないのは非常に悲しいこと。農家でいえば、生産者の声を聞き、農業にかける熱い思いを知れば、『食』への関心は高まっていくはずです。それが日本の農業の未来を明るくし、後継者不足の問題を解消することにもつながります。農家タレントとしてその先導に立ち、地元から発信していくのが僕の役割。現在52歳ですけど、僕の新たな挑戦はこれから始まります。見ていてください」

 

取材・文/百瀬康司 写真提供/風岡直宏