ライブ中に聞こえる妻の笑い声が自信になる

── 二人三脚で病気に向き合う日々が、2人の距離を近づけたと感じていらっしゃるのですね。支え合う時間が増えることで、互いの変化にも気づくことがありそうです。

 

コージーさん:ありますね。彼女はもともと人当たりのいいタイプですが、僕がこういう状態になってから、周りの人に向けるまなざしがより優しくなったような気がするんです。一緒にいると、見知らぬ人から「この電車、新宿に行きますか?」なんて声をかけられることが本当に多いんですよ。そのたびにていねいに教えている。僕を献身的に支えてくれるだけでなく、さらに周りにも優しく接する奥さんを見ていると、あらためて感謝の気持ちがわいてきますね。

 

コージー冨田
鈴木雅之のものまねをするコージーさん。ものまねタレント仲間の一木ひろしさんと藤川なお美さんと

──「ものまねのステージが生きる希望になっている」というコージーさん。奥さんの存在がステージに立つ原動力にもなっているのではないでしょうか。

 

コージーさん:月に1回はものまねライブをいまも行っているんですが、たまにお忍びで観に来てくれます。奥さんが見てくれていると思うだけで安心感がありますし、彼女の笑いのセンスを信用しているので、ライブ中にその笑い声が聞こえると、「よし、おもしろかったんだな」と、自信が持てるんです。

 

奥さんは僕のいちばんのファンであると同時に、忖度のない意見をくれるいちばん正直な観客でもあります。ときには手厳しい指摘が飛んでくるんですが、それがなかなか的確なんです。たとえば、舞台のトークのとき、話の流れをていねいに作ってからオチを出すと、後から「話が長かった!先に結論を言ったほうがいい」と言われることも。

 

最初はグサッと来ましたが、言われてみると、たしかにそのほうがテンポもいいし、お客さんにも伝わりやすい。彼女のなにげないひと言が改善のヒントになることも多いんです。はっきりとものを言うタイプなので気持ちがいいですね。僕もその影響を受けて、私生活でも遠回しな言い方をしなくなりました。