「不安なときも」できることに目を向ける

── 奥さんは、コージーさんにとって、最大の理解者ともいえる存在なのですね。長年、病気とともに生きるなかで、心が折れそうになる瞬間もあるのではないでしょうか。そうした気持ちにどのように向き合っていらっしゃるのでしょう。

 

コージーさん:正直、怖くないわけじゃないです。目が見えないというのは、想像以上に不安ですし、通院や人工透析の生活も一生続くわけですから。「この先、どうなるんだろう…」と考え出すと、ネガティブな気持ちに覆いつくされそうになることがあります。そんなとき、そばに奥さんがいてくれるのは、やっぱり心強いです。僕の目の代わりになって、いろんな場面で助けてくれる。それだけで絶望せずにすみます。

 

できないことばかりを数えていても落ち込むだけなので、「明日は透析で4時間かかるから、どの映画を見ようかな」「次に奥さんと出かけるときは何を食べようか」など、いまできることにフォーカスして、気持ちを前向きに切り替えるようにしていますね。僕にとっての光は隣で支えてくれる奥さんの存在と、ものまねショーのステージ。彼女がいてくれるからこそ、いまもこうして舞台に立ち続けられていることを実感します。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/コージー冨田