再発率1%なのに…まさかの再発で

藤原宏美
再発手術後10日目でバリ島へ

── 左胸の全摘手術はどうでしたか?

 

藤原さん:手術自体は問題なく終わりましたし、0期で全摘したためその後は放射線治療も必要なく、早めに日常生活に戻ることができました。早く見つかったことがよかったのだと思います。

 

ただ、切除した体を見るのは、とても勇気が入りました。術後3日くらいは先生が診察しているときも直視することができず、3日後にチラッとだけ勇気を出して見たのですが…。手術のときに体に引いたマーカーの線などもまだ残っていて、よくわからない状態でした。そこから少しずつ見て慣れるようにし、退院してから半月後には温泉に行っていました。日常生活に早く戻りたいという気持ちでいろいろ行動していたのですが、先生には「切除後すぐに温泉に行く人は珍しい」と言われました。

 

── その後は順調だったのでしょうか?

 

藤原さん:いえ、実は1年後に局所再発したんです。私の場合、0期で左胸を全摘したので、局所再発率は1%と言われていたのに…。

 

── どうして気づいたのでしょうか?

 

藤原さん:ある日、全摘した部分に小さなシコリがあるのに気づいたんです。コリコリしたシコリで左胸を全摘していたから気づけましたが、胸があったら気づかないほど小さなものでした。先生はすべてのシコリは取りきったと言っていましたが、念のために診てもらうことに。すると先生も驚いていて、とりあえずエコーや血液検査を行うことになりました。診断がなかなかつかず、最終的にMRIや針でとった細胞の組織検査が行われ、浸潤がんの局所再発がわかりました。

 

── 再発とはさぞかし驚かれたでしょうね。

 

藤原さん:再発しないための全摘だったので納得がいかず、思わず先生に「取りこぼしがあったってことですか?」と聞いてしまいました…。すると先生が「もしかしたらそうかもしれないね」と。それを聞いて怒る人もいると思うのですが、正直に答えてくれたことで私は「じゃあ仕方がない」と思えたんですよね。「それは絶対にない、私のせいではない」というような先生だったら納得できなかったかもしれません。