連ドラ主演 撮影は「30時まで」という時代経て

── 高校卒業後は仕事に集中して取り組めたかと思いますが、当時はまだ社会全体が今のような働き方ではなかったと思います。どんな生活をされていましたか。

 

平山さん:芸能界も、寝ないで働くというような風潮がまだあったので、連ドラの主演をしていたときは30時まで現場で撮影する日もありました。

 

平山あやさん
ポップなTシャツがお似合いの平山あやさん

── 1日が24時間以上あったんですね。

 

平山さん:そこから2時間仮眠して、また次の現場に行くということもありましたが、意外と大丈夫だったんです。憧れていた芸能界で、自分がしたいことをできているということが大きかったですし、周りのみなさんに支えてもらっているという責任感もありました。共演者の方や制作現場で働いている大勢のスタッフさんに迷惑はかけられません。若さもあったと思いますが、とにかく目の前のことに一生懸命で、それに若いので元気だったと思います。仕事を続けていくうちに体も慣れていきました。

 

でも、お正月にお休みをいただくとホッとしてそこで風邪ひいてしまうというようなこともありました。仕事のときは気が張った状態だったんだなと後から気づくこともありました。

 

── 俳優の仕事を長年続けるなかで、どんなことが印象に残っていますか。

 

平山さん:この業界の先輩方の姿が本当に勉強になりました。それぞれにさまざまな経験をされているので、毎回学ばせてもらおうという気持ちで撮影に挑んでいました。デビュー作の映画でご一緒させていただいた三浦友和さんとは、その10年後にまた私が娘で役演させてもらったのですが、私のデビュー時を知っているので成長した姿を見て喜んでくださったのがすごくうれしかったです。この仕事は、すべての経験が今に繋がっていて、私の宝物になっていると思います。自分で考えたように演じてもうまくいかないことがたくさんあるのですが、それを先輩たちが見てくれて、アドバイスをいただいて。そのご恩はいくつになっても忘れませんし、ありがたいことにデビュー後から今に至るまで、本当に優しい方々に恵まれていたと思います。右も左もわからない私にあたたかい声をかけてくださったことに感謝しています。

 

── 人には見えない苦労もたくさんあるかと思います。

 

平山さん:この世界にいると、チャンスが巡ってこない時期はもちろんあります。孤独を感じることもたくさんありました。でも、自分を見失わないでいればチャンスは必ず巡ってくると思います。何か挑戦したいことがある人は夢を諦めないで、自分から行動してほしいなと思います。

 

 

俳優として活躍の幅を広げていた平山さんは、30代後半に体調不良に悩まされていたと話します。病院を受診するも原因がわからず、生活を見直すことで体調の回復につとめたそうです。振り返ってみると「さまざまな制限があったコロナ禍で悪化したように思う」と話す平山さん。自分自身に向き合った経験を活かし、忙しい日々のなかでリラックスする時間を持つことの大切さを伝えたいと念願のブランドを立ち上げ、アロマ商品のディレクターをつとめています。1日の疲れをとるために栄養や睡眠を心がけ、毎日のルーティンを大切にしているそうです。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/平山あや