娘には「好きなことを見つけてほしい」

── 仕事と子育ての両立のために、工夫をしていることはありますか。

 

加藤さん:両立はそんなにうまくできているとは思っていないのですが、時間があるときに作り置きをしています。ご飯も冷凍して、娘が大好きなほうれんそうのごまあえなどをまとめて作っています。仕事で夜遅いときには、作り置きしたものを母にあげてもらうこともありますし、あとはベビーフードにも頼っています。

 

加藤綾子さん
「お上手!」自分で編んだニット帽をかぶる加藤綾子さん

それに、体調管理にはより気をつけるようになりました。娘の風邪をもらってしまったことがあったので、早め早めの対応を心がけています。娘の体調に異変を感じたらすぐに病院に連れて行き、自分も栄養をとってしっかり休むことなどを意識しています。効率に関してはまだまだだと思うので、むしろ子育ての先輩のみなさんに教えていただきたい気持ちです。

 

── 旦那さんと家事や育児の分担はしていますか。

 

加藤さん:今は、仕事のペースを調整して家事も頑張っています。夫は忙しいのですが、お休みのときはつきっきりで娘の相手をしてくれて、食事を作ってくれる日もあります。娘も、夫がたっぷり遊んでくれているので「パパ大好き」という感じになっていて。仲よしな娘と夫の姿を見るのは、とてもほほえましいですね。

 

── まだ娘さんは小さいですが、今後どのように仕事をしていきたいと思っていますか。

 

加藤さん:今は生活のなかで子育てをメインに置いていますが、いずれ子どもも子ども自身の世界をつくっていくと思うので、そういったときに子離れできずに寂しくならないようにしたいですね。やっぱり自分の居場所というものが家庭以外の社会にあると、自分の心も体も健康でいられると思うので、お仕事はスローペースでも続けていきたいと思っています。

 

同じアナウンサーで、自分の好きなことを極めていらっしゃる方が周りには多いのですが、私はなんせ趣味がない人間で、そこが悩みなんです。自分の興味あることを掘り下げていらっしゃる方がすごく羨ましいなと思います。

 

── ピアノをはじめ多才で器用なイメージがあります。

 

加藤さん:いえいえ、音大を出ているのに今では簡単な曲しか弾けませんが、楽譜を買ってきて娘が好きそうな童謡を弾くことはあります。娘は歌も好きですし、私が弾いているピアノの鍵盤を一緒に触ることもあって、今のところ音楽は好きそうですね。

 

私自身、好きなことが見つからず迷って生きてきたので、自分が好きなことを見つけている人の人生がすごく楽しそうに映っています。好きなことを通して学ぶことも大事だと思うので、娘には自分で好きなことを見つけて、それを深めていってほしいなと思っています。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/加藤綾子