2022年秋から仕事を休んでいた加藤綾子アナは、今春から仕事を再開しました。「直前に娘から風邪をもらい洗礼を浴びた」という子育てと仕事の両立をする現在について伺いました。(全3回中の3回)
復帰直前に「洗礼を浴び」
── 2016年にフジテレビのアナウンサーからフリーに転向され、その後、ご結婚を経て2022年秋からお仕事を休まれていました。第一子を出産し、今年の春からお仕事を再開しました。復帰の時期はもともと決めていたのでしょうか。
加藤さん:具体的な時期は決めていなかったのですが、子育てのリズムをつかめるようになってからお仕事を始めたいと思っていました。

仕事を休む前のように月曜から金曜までの生放送を、子育てしながら担当することには不安があったので、様子を見ながらと思っていたころにタイミングよく、番組のMCのお話をいただいて。夫も、私が仕事をしていると生き生きしているように見えるみたいで、すぐに賛成してくれました。
── 仕事復帰はスムーズでしたか。
加藤さん:テレビ収録の前に、イベントの司会の仕事から仕事復帰したのですが、その少し前に娘が風邪をひいて、私ももらってしまったんです。咳が止まらず「どうしよう」と焦りました。私が咳をして話せなくなってしまったら進行が滞ってしまいます。体調を整えることに専念してなんとか間に合いましたが、「子育てをしながら働くってこういうことなんだ」という洗礼を初回から浴びた感じがしました。
── 子どもがいると、自分だけではどうにもならないことが増えますよね。テレビ東京の『ナゼそこ?+』で、この春からMCをされています。久しぶりの番組収録はいかがでしたか。
加藤さん:初回の打ち合わせからものすごく緊張して、終わってから頭痛がしました(笑)。打ち合わせというより顔合わせに近い形だったのですが、「私って人見知りだったんだ」と今さら気がついたくらいです。子育てをしていると会う人が限られるので、はじめましての方と目を合わせたり、大勢いらっしゃる番組のスタッフさんとお会いしたりしていたら急にドキドキしてしまって。1回目の収録もかなり緊張していたのですが、MCのユースケ・サンタマリアさんが現場を楽しませてくださって、やってこられています。休んでもまた帰れる場所があるというありがたみを実感しながら収録させてもらっています。
── 子育てに専念していた時期を経て仕事復帰してみていかがですか。
加藤さん:子育ても大好きですし、子どものことも大好きですが、社会と繋がることって大切だと思いました。子どもと向き合うだけではなく、大人と話せるという経験がとっても楽しいです。家庭を守るということも大切な仕事だと感じましたし、改めて世の中のお母さんたちに対する尊敬の念が深まりました。誰もがそれぞれに毎日大変な日々を過ごしています。子どもを持つ前はなかなか気がつきにくい部分だったのですが、自分が経験してより周囲の方への尊敬の気持ちを感じることが多くなりました。
それに、世の中で起きている子どもをとりまく話題により当事者意識を持つようになったと思います。 悲しいニュースに心を痛めることも増えましたし、自分だったらどう行動できるかについても考えることが多くなりました。