学生時代、人間関係がイヤになったり、自分に自信が持てずネガティブになったりすることはよくあります。この11月、デフリンピック・ビーチバレーボール競技で日の丸を背負って戦う堀花梨さんもそのひとり。ビーチバレーとの出会いが人生を好転させました。
スポーツの経験を通じてメンタルが強くなった
── いよいよ、今年11月15日から創設100周年を迎える聴覚障がい者を対象とした国際的な総合スポーツ競技大会「デフリンピック」が日本(東京)で開催されます。女子ビーチバレーボール競技でメダルを狙える伊藤・堀ペアの堀花梨さんは、競技を始めてわずか4年とのこと。そもそも始めたきっかけは?
堀さん:運動は小さなころから好きで、中学では男子に混ざって野球部に入っていました。実際は、運動系の部活が野球しかなかったからだけなんですけどね。高校では身長もそこそこ高かったことや新しいスポーツにも挑戦したい気持ちがあり、バレーボール部に入部。部活で出会った伊藤碧紀さんからあるとき、「(私は)ビーチバレーボールもやっているから、一緒にやらない?」と、誘いを受けて競技を始めたのがきっかけです。彼女とはいまもペアを組む仲です。バレーボールもおもしろいのですが、屋外で行う開放感など違った魅力を感じ、のめりこんでいきました。

── 野球から、バレーボール、ビーチバレーボールと続くスポーツ歴を聞くと、けっこう活発に行動するタイプだったのでしょうか?
堀さん:運動はもとから好きでしたが、性格はネガティブなほうだと自覚しています。でも、スポーツを通じて、とくに高校時代のバレー部での経験が自分のマイナスになりがちな考え方を変えてくれたんです。バレーボールを始めた当初は、技術不足で猛練習をするなど苦しい時期がありました。それで悩んだこともあります。周囲は中学のころからのバレーボール経験者ばかりで、レベル差も感じていましたから。
基礎的な技術を身につけたいと思ってコーチとマンツーマンで指導をしてもらい、スパイクの打ち方からレシーブの受け方まで、みっちりと教えてもらいました。技術レベルがあがってレギュラーになれたことで、自分に自信がついた経験は大きかったです。努力したことが結果につながる経験をしたのは初めてだったように思います。それまでは、ずっと不安でマイナス思考だったから、途中で転部を考えたこともあったくらいでしたから。