「じつは日本に逆輸入」インドネシアで大ブーム

──『あらびき団』!私も大好きで見ていました。先見の明ですね。

 

多田さん:ようやく波に乗ったかのように思えた矢先、突然、『あらびき団』の放送が終了。うわーと思っていたら、韓国のテレビ局から『お笑い日韓対抗戦番組』に出演しませんか?と誘いを受け、日本代表5組のうちの1組として参加しました。『あらびき団』は撮影したものを放送する番組だったので、この『お笑い日韓対抗戦』で初めて、お客さんの目の前で「あたりまえ体操」を披露したんです。

 

あたりまえ体操は、韓国語で「タヨナチェジョ」というのですが、これが韓国ネットのトレンドワード入りをして、ネットニュースにも報じられました。このネットニュースを見た日本のテレビ局からオファーをいただき、日本でもたくさんの番組に呼んでもらうようになりましたが、じつは韓国からの逆輸入だったんです。

 

── 先に韓国でヒットしたとは知りませんでした。ほかの国ではいかがでしたか?

 

多田さん:2013年ころに吉本興業が、アジアにお笑いを届けようという活動を始めて、あたりまえ体操から通用しそうなネタを6つほど選んで、インドネシア語バージョンを作ってもらいました。インドネシアの桑田佳祐さん的な位置づけの有名ミュージシャンが「これはいい」とリツイートしてくれて、一気に広がり、YouTube動画が1週間で100万回再生されました。当時はまだ、それほどYouTubeが浸透していなかったことを考えると、驚異的な数字だったんです。

 

それから、インドネシアの『ミュージックステーション』のような音楽番組に生出演。インドネシアではCOWCOWは芸人ではなく、「アーティスト」として扱われました。楽屋では、インドネシアNo.1ロックスターと同室で、破格のVIP待遇でしたよ(笑)。その後、インドネシアは10回ほど訪れましたし、タイやマレーシアなどアジアツアーも行いました。