今田さんたちのあと押しで再びスーツを着たら…
── 伊勢丹の紙袋柄スーツをやめた時期があるとは知りませんでした。今は再びそのスーツを着続けていますが、きっかけはなんだったのですか?
多田さん:2007年に『やりすぎコージー』という番組の「劇場番長」という、テレビにはあまり出ないけど、劇場を沸かせている芸人を取り上げる企画に呼んでもらったんです。MCの今田耕司さんから「COWCOWはネタはいいし、実力もあるのに惜しい。後はタカアンドトシみたいに衣装(の工夫)みたいなことちゃうか?」と言っていただき、もう1度、伊勢丹の紙袋柄スーツを着てみようと思いました。ちょうど、後輩のパンクブーブー・黒瀬くんも「伊勢丹柄スーツ着ないんですか?多田兄(にい)らしくていいと思うんですけどね」と、勧めてくれていて。

まわりがそんなに言ってくれるなら、「また着てみよう」という気になったんです。とくに相方に相談したわけではありませんが、もし、相談していたとしても反対しなかったでしょう。
── 数年ぶりの伊勢丹の紙袋柄スーツ復活。再び着始めた2008年以降、風向きが変わり、キングオブコントでは準決勝、R-1グランプリではコンビのおふたりとも決勝に進出、と結果を残しましたね。
多田さん:『やりすぎコージー』を見ていたフジテレビのスタッフさんが声をかけてくれて、『爆笑レッドカーペット』でも、劇場番長として出演しました。そのとき、久しぶりに「伊勢丹の紙袋でーす」と、登場したんです。そこから、また少しずつテレビ出演や仕事が増えて上り調子になりました。これをきっかけに、今に至るまで伊勢丹柄スーツを着続け、現在、スーツは3代目を着ています。
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「伊勢丹柄スーツ」で快進撃を続けたCOWCOWのおふたり。近年では「あたりまえ体操」が大ブレイクしたことで記憶に新しいですが、実はこのネタ、先にヒットしたのは韓国のお笑い番組だったそう。日本だけでなくアジア各国でも話題を呼び、インドネシアでは「アーティスト」扱いで、同国No.1のロックスターと楽屋が同室という超VIP待遇だったそうです。
取材・文/岡本聡子 写真提供/多田健二、吉本興業株式会社