「自分は美人」と言い聞かせて泣いたことも
── 自分と向き合い続けるのはエネルギーも必要だと思います。大変ではなかったですか?
櫻田さん:40歳のころから数年間、つらい時期がありました。服や髪型が少しずつよくなってきていたのに、髪型も服装も突然またダサくなり、迷走し始めたんです。今思うと、内面では「自分はブスだ」と思っているのに「美人になろう」と頑張ることで、気持ちと行動がアンバランスになっていたんですよね。「自分は美人だ」と自分に言い聞かせて泣いたこともあり、うつのような状態ですごく苦しかったです。
── それはつらかったですね。
櫻田さん:はい。それで、ひとまず外見のことは置いておいて、一度自分の内面と向き合うことにしたんです。カウンセリングや心理学の講座などを受け、自己肯定感が上がってきたところで大きな転機がありました。
── どんなことがあったのでしょうか?
櫻田さん:心理学の講座で「昔好きだったことや趣味を思い出してみてください」という課題が出て、小さいころはかわいい洋服を作るのが好きだったと思い出したんです。それで、花柄の布地をさっそく買い、スカートを作りました。
若いころからかわいい服への憧れはありましたが、「ブスの私には似合わない」という気持ちもあったし、骨格診断でシャツやパンツスタイルといったクール系の服が似合うと言われたこともあって、フェミニンな服装は避けていたんです。でも、できあがったスカートを着てみたら思ったよりも似合っていて、自分自身が心から喜んでいるように感じました。

その経験から、他者の目線も大事だけれど、まずは自分の心を大事にして着たい服を着ようと思うようになりました。そうやって自分の望みと外見を一致させると、自分で言うのもなんですが格段にきれいになっていったんです。