「え?今日産むんですか?」

福田彩乃
出産後退院したときは車椅子と松葉杖を持って

── 結婚生活を穏やかに過ごしていきながら、2022年4月に第1子の息子さんを出産されました。初産でしたが、妊娠から出産までスムーズにいきましたか?

 

福田さん:全然スムーズじゃなかったです…。妊娠中に食べづわり(お腹が空くと気持ち悪くなってしまうつわり)で体重が20キロ増えたうえ、妊娠8か月のときに右足の小指を骨折してしまって。ベッドで寝ているときに宅配のチャイムがなったので、急いでベットから起き上がって立とうとしたら足をくじいてしまって。「やっちゃったな…」と思ってすぐに病院に行ってレントゲンを撮ってもらったところ、先生から「折れてます」と言われてしまいました。骨折した部位は、右足の小指の小さな骨だったんですけど、それでもギプスと松葉杖が必要になったんです。

 

── 妊娠8か月で、松葉杖生活はかなり大変そうです。

 

福田さん:しかも、もともと5月に出産予定だったのが、急きょ、1か月早い4月に出産することになったんです。4月に入って破水のような症状が出ていたので、リスク管理も含めて検査入院をすることになりました。その後、体の状態をみて一度大きな病院で検査してもらったほうがいいと言われ、大学病院で検査することになりました。当日、大学病院に行って検査をしてもらい、結果を聞くと「今から促進剤を打って今日中に出産します!」と言われたんです。その日は検査だけで終わるはずでしたが、そのまま出産することが決まりました。

 

── かなり急な展開だったのですね。

 

福田さん:驚きますよね。出産まで1か月あると思っていたので全然、心の準備ができていませんでした。コロナ禍での出産でしたが、もともと通っていた産婦人科では、家族の立ち会いができたのと、無痛分娩を計画していたんです。前もっていろいろ環境を整えたうえで出産に臨むはずでしたが、急きょ、検査当日に産むことが決まって、まったくもって予想外の展開になりました。お昼くらいに陣痛促進剤を打って、夜の10時くらいに出産したと思います。

 

あと、逆子ではなかったんですけど、赤ちゃんの顔の向きがあるらしく、赤ちゃんの頭を正しい位置に戻す必要があると先生に言われたんです。分娩台に上がって、四つんばいになって、ヨガでいう猫のポーズっていうんですか?四つんばいで背中を反ったり、丸めたりするポーズですね、あれを分娩台の上でやってくれと言われて。お尻丸だしで猫のポーズをするのは恥ずかしいし、そもそも骨折してギプスもしているから思うように動けなくて(笑)。でも、赤ちゃんの向きが少しずつ整ってきて。仰向けになったあとは、助産師さんから「いきみ方上手です!」と拍手をいただけるほどスムーズに、先生や看護師さんたちに見守られながら、わが子が誕生しました。