2022年4月に第1子を出産した福田彩乃さんですが、「初産は全然、スムーズじゃなかった」と当時を振り返ります。立ち会い出産や無痛分娩など、事前に環境を整えてきたものの、予想だにしなかったことの連続で── 。(全4回中の2回)
結婚で環境が大きく変わり「静かな家出」も

── 2020年4月に結婚。22年4月に第1子となる息子さんを出産され、現在3歳になりました。福田さんは結婚と同時に都心から郊外に移住されたそうですが、結婚を機に仕事や生活は大きく変わったのでしょうか?
福田さん:夫は自営業なんです。だから結婚を決めたときに、夫の仕事をサポートをすることがあるだろうし、家のこともあるので、自分の仕事は少しセーブすることになるだろうと覚悟はしていました。
── しかし、周りに友人・知人がいない環境では、新婚とはいえ、寂しさを感じることはありそうです。
福田さん:寂しかったですね。しかも、結婚したころはちょうどコロナ禍だったんです。私だけではないですが、仕事や外出が制限されてフツフツとしていたし、以前のように気軽に友達にも会える距離ではなかったので、発散する場がなくて。ストレスが徐々に溜まっていったんだと思います。だから私、結婚して「静かな家出」をしたことがあるんですよ。
── 静かな家出?
福田さん:新婚当時、私は夫と愛犬でマンションに住んでいましたが、夫はオンラインでリモート飲みにハマっていた時期で、夜、私と一緒に部屋でくつろいでいるときも「ごめんね。今から友達とリモート飲みするから」と言って、パソコンと向き合うことがよくあって。
ある晩、夫はいつも通り友達とリモート飲みをはじめました。私は夫と同じ空間にいてもひとりぼっち。日々の孤独が募ってしまったのか、「ウワァァァ…!」と気持ちが抑えきれなくなって、夫を置いて静かに家出をしたんです。でも、道がわからなくて、2個目の信号を超えたあたりで戻って来たんですけど…(笑)。
── わりと早めのお戻りだったと。
福田さん:そうですね。ただ、リモート飲みの件もそうですが、夫婦でなにかあるたびに、きちんと話をしてきました。仕事にたいする思いや、慣れない土地に住むことの難しさ、友達とは簡単に会えないさみしさも伝えたし、夫が思っていることも聞きました。本質的なことからささいなことまでお互い口に出して伝え合ってきたと思います。
結婚して生活を共にしてからは発見の連続でしたが、何かあれば夫と話をしてきたので、ふたりの理解が深まったような気がします。また、自分でも楽しみを見つけようと思って、天気のいい日は家の周りを愛犬と散歩してみたり、ラーメン屋や居酒屋を見つけたら「今度、夫と一緒に行ってみたい!」と楽しみにしたり。視野を少しずつ広げながら、周りの環境にも徐々に慣れていったと思います。