リハーサルで歌ってくれた『不良少女白書』に涙

── ずっと温かく見守ってくれたご両親に感謝ですね。
橋爪さん:両親もですが、祖母もずっと応援してくれていて、私のお笑いライブに来てくれていました。ただ、途中から介護施設に入ってしまい、ライブに来ることが難しくなってしまって。それからは、祖母の誕生日には介護施設に行き、出張ライブを行うようになりました。といっても、仲のいい芸人仲間にお願いをしてわざわざ来てもらっていたので、ギャラはすべて私が支払っていました。それでも10年以上つき合ってくれた仲間には感謝しています。周りに恵まれていますね。
── 芸能界で仕事をするようになってから、恩人であるさだまさしさんにお会いする機会があったそうですね。
橋爪さん:そうなんです。母の影響でさださんのコンサートには小さいころからよく行っていて、私自身を変えるきっかけとなった「恩人」であるさださんのファンでした。それで、バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』で、「五十音順のどれを言われてもさだまさしのミニエピソードを言える」というネタを披露したのですが、その放送をさださんのマネージャーさんがたまたま見ていて、それがご本人にも伝わったようで。さださんが出演されている『今夜も生でさだまさし』という番組に呼んでもらえることになったんです。
── それはすごい!
橋爪さん:当日、ご挨拶に行ったときに『不良少女白書』に救われたこと、あの曲は私のために書かれたものだと思っているとお伝えしました。さださんは「違うよ〜」と笑って否定していましたが、本番で歌う予定のなかった『不良少女白書』をリハーサルで私だけのために歌ってくれて。緊張しすぎてあいさつのときから泣いていましたが、これにはさらに泣かされました。さらに番組で使ったネームプレートの裏にサインと「お笑いがんばれ」というメッセージをいただけて…。すでに母は亡くなっていたので、このことを伝えられなかったのが残念でたまりませんが、きっと喜んでくれているのではと思います。
取材・文/酒井明子 写真提供/橋爪ヨウコ