「未知の世界に飛び込むことにワクワクするタイプなんです」。かつて「筋肉アイドル」として芸能界の新ジャンルを切り開いた才木玲佳さん。受験では志望校にすべて合格した慶應大学の才女が、卒業後に足を踏み入れたのは、それまでの人生にはまったく無縁の世界。エリート街道まっしぐらだったのに、いったいなぜ── 。(全3回中の1回)
要領がよくて、負けず嫌いだった

── アイドルとプロレスラーの二足のわらじで活躍し、「筋肉アイドル」として注目を集めたタレントの才木玲佳さん。慶應義塾大学卒で宅建資格も持つ才女でもあります。そんな才木さんですが、大学受験では慶應、上智、早稲田、東京外国語大学など、受験した学校すべてに合格する「受験無双」ぶりだったとか。高校時代は、さぞ勉強漬けの毎日だったのでは、と想像してしまいますが…。
才木さん:中高一貫の進学校に通っていましたが、ガリ勉タイプではなく、要領がよかったんです。ただ、受験勉強は相当、頑張りましたね。すごく負けず嫌いなので、自分が勉強していない間にほかの人に追い越されるのが嫌だったんです。朝4時に起きて勉強してから学校へ行き、放課後も夜まで自習室にこもりきり。移動中はもちろん、お行儀は悪いですが食事中や歩きながらも参考書を広げて、一心不乱に取り組んでいました。
そのかいあって、第一志望の慶應義塾大学は、商・経済、文学部の3学部、上智も3つの学部、そのほか東京外国語大学、早稲田、明治と受験した大学すべてに合格しました。
── 大学生活では、どんなことに打ち込んでいたのでしょうか。
才木さん:1年生のときはダンスサークルに入っていました。周りは経験者ばかりで、私だけが初心者。ダンスってうまい人から前に並ぶので、最初はいちばん後ろの端っこ。それがすごく悔しくて、毎日朝練を続け、文化祭ではいちばん前で踊ることができました。ただ、ダンス以外にも友達や彼氏と過ごしたり、バイトにも時間をさきたかったので1年で辞めました。
その後はバイト漬けの毎日でしたね。朝は唐揚げ屋さんの仕込み、昼はコールセンター、夜は家庭教師と、1日に3つのバイトを掛け持ちしていたことも。とくに目的があったわけではないのですが、つねに忙しく動いているほうが落ち着くタイプみたいなんです。
── そんな才木さんが芸能界に足を踏み入れたのは、大学3年生のころだったとか。周りが就活を始める時期に、どうして芸能活動という道を選んだのですか?
才木さん:別にやりたいことも、入りたい会社もなくて。社会のレールにそのまま乗るのが嫌だな、という気持ちがありました。正直、「慶應卒という肩書があれば、いつでも就職はできるだろう」と甘く考えていたところもあって。「だったら今は就活じゃなくて、本当にワクワクできることを探してみよう」とそのとき思ったんです。
そんなとき、街でスカウトされたことをきっかけに、芸能界に興味を持つようになりました。いろんなオーディションを探すなかで「これだ!」とひらめいたのが、プロレスラー・武藤敬司さんの団体「WRESTLE-1」の公式サポーターを務める応援ガールズユニット「Cheer♡1」でした。