お笑いコンビ・デニスの植野行雄さんと結婚した俳優の比嘉梨乃さん。植野さんの濃い顔に惹かれたのかと思いきや、好きなポイントはほかにあるそうで──。(全2回中の1回)
気になるなれそめ「出会いは約10年前」
── お笑いコンビ・デニスの植野行雄さんとのご結婚、おめでとうございます!おふたりのなれそめについて教えてください。
比嘉さん:今から10年ほど前におきなわ新喜劇の劇場で挨拶したのが最初の出会いでした。

初対面はその場での挨拶だけで終わりました。2回目は、今から6、7年前に東京で仕事関係の食事会で会ったときです。「いい方だな」と思っていたのですが、特に何も発展しませんでした。またその数年後、知人を介して集まる機会がありまして。そのあと個人的に連絡が来るようになり、ふたりで会うようになったのがおつき合いをするきっかけでした。
── 3度目の正直ではないですが、ふたりで会うまで3回もタイミングがあったんですね。
比嘉さん:そうですね。行雄ちゃんからはいまだに「俺は3か月あしらわれてた」と言われます。個人的に「食事に行きませんか」と声をかけてもらってから、実際に会うまで3か月ほどあったんです。
── それはなぜでしょう。
比嘉さん:私が仕事で東京と沖縄を行き来していて、スケジュールがなかなか取れなかったことがありますし、お会いしたときの印象はよかったものの、バラエティに出ていたときのイメージが強くて「芸人さんだし実際はチャラいのかな」という不安もありました。でも会ってみたらものすごく優しい人で。私は、自分からグイグイいくタイプではなかったので声をかけてもらってよかったです。
行雄ちゃんからは、「梨乃ちゃんは沖縄生まれ沖縄育ちだから、俺の顔に抵抗がないんだと思う」と言われたのですが、私は彼の顔より髭が好きなんです。おつき合いしていたころから、友人や家族に「梨乃が好きそうな人だね」と言われていました。先日、沖縄の旧盆で一緒に帰省した際も「つけ髭みたいに本当にきれい!」と、髭の話で親戚中が盛り上がりました。
── 植野さんはお父さんがブラジル人でお母さんが日本人ですよね。その濃い顔立ちをネタにもされていますが、梨乃さんも濃い目が好きだったんですか。
比嘉さん:薄いより濃い方が好きですが、私は好きな男性のアイドルや俳優さんがいないんです。正確には好きなタイプが人間にはいないと言いますか…。何がきっかけだったのか覚えていないのですが、中学生のころからゴリラが大好きで、画像を検索しては保存して集めていました。
行雄ちゃんと一緒に動物園にゴリラを見に行くんですけど、私が「この格好がたまらない!」と言うと、家に帰ったあとゴリラのマネで動きを再現してくれます。すごく似てますよ(笑)。私は平気でゴリラを3時間くらい見入ってしまうのですが、行雄ちゃんは決して急かすことなく待ってくれています。ゴリラは全国6か所の動物園にしかいないので、とても貴重ですし、ファンの方も多いんですよ。
名古屋にある東山動物園にいるシャバーニというゴリラがものすごくかっこよくて、私の推しです。写真集やDVDも出ていて、うちには、横になるとシャバーニが腕枕してくれるように見える枕などもあります。行雄ちゃんは「好きなのがゴリラでよかった」と安心しているようです。

── ゴリラのどんなところに惹かれたんですか。
比嘉さん:やっぱり野生味あふれるところですね。たくましさを感じます。
── ゴリラの話に思わず飛びましたが(笑)、比嘉さんのゴリラ愛で、新婚旅行の行き先も決まりそうなんですよね!
比嘉さん:おつき合いしたてのころに行雄ちゃんから「海外だったらどこに行きたい?」と聞かれたことがあって。私、まだアジアから出たことがないんですけど、「ゴリラのトレッキングツアーに行ってみたい」という話をしました。それならアフリカだよね、と。行雄ちゃんは「じゃ、いつか行こう」とその場の流れで言ったらしいのですが、その話を私がしつこく覚えていて。新婚旅行はアフリカに行けたらいいねと話しています。来年あたりですかね。
父親が夫を「師匠」と呼ぶ関係
── 比嘉さんのご家族の、植野さんの印象はいかがですか。
比嘉さん:最初に家族に合わせた日に、お母さんは行雄ちゃんのことをすぐ好きになっていました。お父さんは、結婚の挨拶に来たわけじゃないのに「いつ結婚するの」なんて言い出して。私が「行雄ちゃんのタイミングがあるんだから、お父さんから言うことじゃないでしょ!」って止めたんですよ。
うちのお父さんはまったくおもしろくないんです。親父ギャグを普段から連発して、自分でおもしろいと思っているエピソードを話すときも最初から自分で笑ってしまうし…。そんな父に対して、家族はしれ〜っとした顔で見るか、苦笑いしてその場をやり過ごしていました。
でも行雄ちゃんは、お父さんに会って2時間後にはツッコミを入れていて。お父さんはそれがうれしくて大喜びです。今までさんざん、家族にスルーされていたので「ついに受け止めてくれる人が現れた」と。お父さんは行雄ちゃんのことを「師匠」と呼んでいて、鍛えてもらっている最中です。どこを目指しているのかわからないのですが、お父さんは行雄ちゃんから「M-1グランプリに出るには、あと5年は修行が必要だ」と言われています。
── お父さんが弟子入り!楽しそうな様子が伝わってきます。植野さんのご家族の印象はいかがですか。
比嘉さん:お義父さんは、行雄ちゃんが27歳のときに亡くなっています。ご親戚もブラジルにいらっしゃるのでお会いできていないのですが、お母さんとお姉さんにお会いして、一瞬で大好きになりました。今では顔を見るだけで安心するくらい、本当に優しいんです。このお母さんとお姉さんがいるから、行雄ちゃんもこんなに優しいんだと思えるくらい素敵な家族です。