「いいお父さんになる努力をしてくれた」

── 娘さんは教師、慎太郎さんはシンガーソングライターの道を選ばれました。進路について親としてかけた言葉はありますか?

 

間さん:ないですね。私は特に何も言いませんでしたし、寛平さんも、自分自身が好きな進路を選んできた人ですから、将来はこんな仕事してほしいなんて言いませんでした。自分が好き勝手してるのに、子どもたちに「あれしたらあかん、これしたらあかん」とは言えないでしょうし、「人生1回なので好きなことをする!」というスタンスでいてもらいたいなと。

 

ただ、大学に進学するときだけは「目標をつくりなさい」とアドバイスしていました。あと、寛平さんは教員に憧れがあったようで「教員免許だけは取っておいたほうがいい」と言っていて、子どもたちは2人とも教員免許を取っていましたね。

 

慎太郎は学生時代からギターを弾いていて、大学に行きながら路上ライブとかもしていたので、自分が思う夢を叶えたことが寛平さんはうれしいんだと思います。寛平さんはシンガーソングライターとして活動する息子のいちばんのファンなんです。

 

おかげさまで子どもたちはまっすぐに育ってくれましたし、寛平さんも仕事やマラソンなど、いろんなことに挑戦して、黙って自分の背中を見せてきたことが良かったのか、今でも変わらず子どもたちから尊敬されています。

 

── ランナーとして走る姿からも生きざまを教えていらっしゃるのは素敵です。お子さんたちにとっても自慢のお父さんでいらっしゃるんですね。

 

間さん:そうですね。とはいえ、24時間テレビで走らせてもらったりしたことで、いまでこそみなさんが寛平さんに対していいイメージを持ってくださっているのでありがたいんですけど、寛平さん、昔はホントにやんちゃでしたからね(笑)。大御所の方から「あの寛平ちゃんがこんな家庭的な人になると思わなかった」って言ってもらうくらい。昔は私も「子どもに迷惑かけることは絶対にしてはダメです」って釘を刺したほどです。それをちゃんと守ってくれたのでよかったですけど、そんな時代もあったんですよ。いいお父さんになる努力をしてくれたんです。