人間ドックで子宮筋腫が発覚するも、多忙で放置をしていた柴田理恵さん。知らないうちに症状は悪化し、生理の出血量もどんどんひどくなり、手術を決断。いまの若い女性にも伝えたいことがあると言います。(全3回中の3回)

38歳で見つかった子宮筋腫を放置していたら

── 明るい笑顔とユーモアで、長年テレビや舞台を盛り上げてきた柴田理恵さん。そんな柴田さんに子宮筋腫がみつかったのは、38歳のとき。きっかけは、人間ドックでの検査だったそうですね。

 

柴田さん:人間ドックで受けた検査で貧血を指摘され、それまで自覚症状はなかったんですが、念のため受けた検査で子宮筋腫がみつかったんです。

 

ただ、医師からは「すぐに手術をする必要はないから、しばらく様子を見ましょう」と言われたので、そのまま2年間、治療をせずに過ごしていました。でも、時間が経つにつれて、症状が少しずつ悪化していったんです。生理の出血量が増え、ドロッとした塊が出るようになり、貧血もどんどんひどくなってきて…。そうなると、仕事にも支障が出るようになったんです。

 

── 具体的に、どんな場面で困ったのでしょう。

 

柴田さん:そのころは、特番の収録やドラマのロケが立て続けに入っていて、とても忙しい時期でした。休憩時間にトイレに行くのも、思った以上に時間がかかってしまい、周りのスタッフや共演者の方を待たせてしまうことがありました。

 

とくにドラマで白い衣装を着ていると、「(出血して)汚してしまうんじゃないか?」と、ハラハラして気が気ではありません。周りに迷惑をかけるのは本当に嫌でしたし、このままではいけないと思い、「きちんと治療をしよう」と決意したんです。でも、どうしても「お腹を切るのだけは絶対に嫌だ」という思いが消えませんでした。

 

── やはり、手術への不安は大きかったのでしょうか。

 

柴田さん:じつは、うちの母も私と同じくらいの年齢で子宮筋腫になった経験があるんです。当時は「悪いものは全部取ってしまう」という考え方が一般的でしたから、母も手術で子宮をすべて摘出したんですね。

 

柴田理恵
要介護4の状態からリハビリに取り組み、正月には自宅でおせちとお酒を楽しんだ母・須美子さんと

その結果、更年期障害が早く訪れ、ホルモンのバランスが乱れ、体調を崩してしまうことが多かったです。ほてりやだるさなどで、つらそうに過ごしている母の姿を見ていたので、「もし子宮筋腫になったとしても、子宮は取るものじゃない」と心に決めていました。そうした経緯を先生に伝えたら、「それなら子宮動脈塞栓術という治療法もありますよ」と、教えていただいたんです。