「富山県住みます芸人」として活動するなか、ひょんなことから足に腫瘍が見つかり「粘液型脂肪肉腫」という珍しいがんと診断されたノビ山本さん。抗がん剤治療のあと切除手術をしたものの、がん細胞残留の可能性があるとわかり、今度は放射線治療をすることに。これまで順調に治療が進んでいたものの、今度は苦戦を強いられ、再び入院する事態に陥ったそうです。(全3回中の3回)
腫瘍を取りきったはずが…過酷な放射線治療を余儀なくされ
── 芸人としてフルマラソン企画を練習していたときに指摘された「ひざ裏のこぶ」が、まさかの悪性腫瘍だったそうですね。最初の抗がん剤治療や切除手術は比較的スムーズに進んだものの、がんが取りきれていない可能性があることがわかり、今度は放射線治療を行ったとか。
ノビさん:放射線治療は通院しながら受けたのですが、これまでの治療に比べると大変でした。まず、正しい位置に照射するために自分の型を取るんですよ。さらに、ズレないように足に油性マジックで印を書かれて。「こんなアナログな感じなんだ!」って驚きました。最初に型を取ったらあとは医療機器で自動的に操作できるのかと思ったら結局、十字が書かれたシールを貼られたし(笑)。
毎回、決まったポイントに照射するので、右ひざの裏が射的の的みたいになるんです。そして、皮膚がどんどんただれてくる。紫外線に当たるのはよくないから、短パンも禁止され、軟膏を塗りながら耐えていました。1か月ぐらい放射線治療をして、紫外線を避けていたのに右ひざの裏の皮膚はこんがり焼けているような感じでした。さらに手術で縫ったところは皮膚がそもそも弱くなっているので、そこに放射線を当てると傷がなかなか治らないんです。

── かなり過酷な治療なんですね…。
ノビさん:それだけでなく、腫瘍を取ったはずの場所がまた膨れ始めてきて。放射線治療でボロボロになった皮膚がだんだん治ってきたと思ったら、今度は水がたまっちゃったんです。2回ほど注射で水を抜いてもらったんですが、放射線治療した患部に何回も注射をするのはあまりよくないらしく、身体に吸収されるのを待つことに。でも、吸収されるどころか、どんどん膨れてきて全然、治らなくて。