夫との共通点は「ゆるキャラとヘビメタ」今は推し活に夢中

── SNSによくおいしそうな料理をアップされていますね。食事を作るときに意識されていることはありますか?

 

練習後の楽しみはハイボール。栄養を意識した自炊が多いそう

富松さん:食事は基本的には自分が食べたいものを作っています。減量のときは肉よりも魚や野菜を中心にして。といっても、まずはハイボール作りからスタートです(笑)。練習中も「このつらい練習が終わったら、おいしいハイボールが飲める!」って気合を入れていますね。

 

── 夫で格闘家の小林ゆたか選手との仲睦まじい様子も拝見しました。どのように知り合ったのですか?

 

富松さん:10年ほど前に沖縄で開催された格闘技の大会で知り合いました。私は別の選手のセコンドとして帯同していたんです。夫も、格闘家の弟が同じ大会に出ていて沖縄に来ていたので、同行していたようで。話してみたら、お互いヘビメタが好きということから仲よくなりました。

 

── 音楽という共通の趣味がきっかけだったのですね。

 

富松さん:じつは平成最後の年の2019年に結婚したんです。同じ大会に出たことがあって、そこで勝ったら公表しようと考えていたんですが、ふたりとも負けてしまって…。結果的に、結婚したことを伏せる形になってしまいました。ただ、昨年の名古屋大会ではふたりとも勝利できたので、公表しました。周りからは「結婚おめでとう」って言ってもらえたのですが、すでに新婚ではなかったんですよね(笑)。

 

── 旦那さんとは、格闘家だけではなくお仕事も一緒なのだそうですね。

 

富松さん:夫も同じ職場の別部署で介護福祉士をしています。同じ仕事なので、お互いの状況や悩みも理解できるのは大きいですね。格闘家としての理解もあるので、心配するよりは応援してくれています。

 

── お互いに理解し、尊重し合える関係性は羨ましいです。

 

富松さん:私のほうが年上なので、すごく頼られている気はしますけど(笑)。試合では、セコンドについてもらうこともあります。「この技がきくんじゃないか」とアドバイスをくれたりしてありがたいです。あとは、ゆるキャラを愛でるという共通の趣味がありまして。一緒にゆるキャラを追い求めて、全国を旅行しています。

 

富松恵美
旦那さんのセコンドとしてベトナムへ帯同したときの1枚

── お話をお聞きしていると、毎日が充実している様子がうかがえます。

 

富松さん:今は以前よりもやりたいことや趣味も増えてしまったから、「早く試合がしたい」という気持ちが前ほどではなくなってきているかもしれません。

 

じつは今、韓流スターにめちゃめちゃハマっていて。この年齢になって、推し活のために韓国まで行くようになりました。韓国では今まで2度ほど試合をしているのですが、当時はエンタメには興味がなくて、ユッケが食べられればいいって思っていたくらいだったんです。それが、コロナ禍に夫が「このドラマおもしろいよ」って韓流ドラマを勧めてくれ、観始めたらハマってしまいました。そこから一気にファンクラブに入り、ライブを観に行くように。じつは先日も、K-POPのアーティストのライブを観に東京ドームに出かけていました。今の試合をするモチベーションは、推し活代のためかも(笑)。

 

── そういうモチベーションは大事ですよね。今後の目標はありますか?

 

富松さん:次の試合は、団体にとっては50回目になる記念の大会。対戦相手は、若くて有望視されている女性です。私はオバさんだし、普段は働いていて100%格闘技に集中できているわけではないけれど、「まだまだ負けないぞ」っていう姿勢を見せたい。その気持ちをモチベーションにして、試合にぶつけていきたいと思っています。

 

取材・文/池守りぜね 写真提供/富松恵美