自分が足を引っ張ってるんじゃないかと自問し

── そんななか、おふたりの関係はどう変化していったのでしょう?
梶原さん:でも、やっぱり彼はすごくいいヤツで。当時、うちには2人の子どもがいて、正直お金も必要な時期でした。西野はそうした事情を汲んでくれたのでしょう。自分の活動ですごく忙しいはずなのに、キングコングとして月30本ほどの舞台に出続けてくれました。もちろん僕のためだなんて言葉にはしないけれど、やっぱり相方だからわかるんです。
その気持ちがすごくありがたかった。でもその反面、申し訳なさと情けなさで、だんだんしんどくなってしまって…。「自分が西野の足を引っ張っているんじゃないか」「もう辞めたほうがいいのかもしれない」と自問していたんです。
── 芸人を辞めるという選択肢も考えていたのですね。その思いを踏みとどまらせたものは、何だったのでしょうか。
梶原さん: 嫁さんに「芸人を引退しようと思う」と初めて打ち明けたんです。普段、家では仕事の話はいっさいしないのですが、全部お見通しだったらしく「悩んでいたのはわかっていたよ。あなたの決めたことなら、なんでもついて行く」と言ってくれました。でもそのあとにひと言、「ただ、私はもったいないと思う」と。その言葉が胸に刺さりました。ずっと悩んで出口が見えなかったけれど、「もう少しやれるかもしれない」と光が差したような気持ちになったんです。
ちょうどそのタイミングで、上沼恵美子さんの「怪傑えみちゃんねる」というトークバラエティ番組のレギュラーが決まり、そこから再びギアが入りました。
── その後、2018年にYouTubeの世界に参入されます。
梶原さん:それまでずっと西野の後ろをついていくばかりだったけれど、ここからは自分の足で動いてみようと決めたんです。道を切り開いていくにはどうすればいいか、試行錯誤して、たどり着いたのがYouTubeでした。