夢があれば行動しようと思える

渋谷真子
車椅子でホノルルマラソンにも挑戦

── これからチャレンジしてみたいことはありますか。

 

渋谷さん:私が「普通に過ごしているんだよ」と発信することで、「こういうとき、車いすの人はどうするんだろう」と思い浮かべてもらえる瞬間が増えると思うので、みなさんが目にするメディアにもっと出たいです。山形県の観光大使をしているので、『秘密のケンミンSHOW』に出たいなと憧れています。

 

車いすに乗っていればいすに座っているのと一緒なので、クイズ番組にも出られるし、コメンテーターもできると思うので、タレント業にも力を入れていきたいです。

 

英語の勉強も続けたいですね。入院中に見つけたロサンゼルス在住の車いすの女性のSNSにDMを送って、オンライン交流会にお誘いいただいたのですが、英語ができなくて参加できなかったんです。いつかその方に会ってお話ししてみたい。クラウドファンディングで絵本も作ったのですが、英語の翻訳がついているから日本以外の国にも届けたいと思っています。

 

大きな目標としては、日本人で初めて車いすで宇宙へ行きたいです。無重力空間では、歩けるか歩けないかは関係ないんじゃないかな、どんな感じなんだろう、と考えるとおもしろそうで。

 

夢みたいな目標を掲げることで、「宇宙開発をしている人とどうしたら仲よくなれるかな」などと行動を起こそうという気持ちになります。かなわない夢でも、夢があったほうがそれに向けて行動しようと思える。目の前にニンジンをぶらさげているみたいに、つねに走っていられるような気がするんです。

 
取材・文/林優子 写真提供/渋谷真子