迷ったら「後悔の少ないほうを選ぶ」がモットー

── 大学時代は体育会水泳部で活躍し、六大学冬季対抗戦では、50、100、200メートルの平泳ぎに出場。すべて2位入賞されたそうですね。

 

青木さん:とても充実した大学生活でした。とはいえ、体育会水泳部に入部するのにもハードルがありました。私は大学に指定校推薦で入学したんです。ずっと続けていた水泳を続けるつもりでしたが、入部を希望していた体育会水泳部は、スポーツ推薦入学者だけに入部を認める方針で…。指定校推薦や一般入試で入学した学生は入部ができませんでした。

 

でも、それであきらめたら絶対に後悔すると思い、監督に「絶対入部したいです」と、直談判したんです。これまでの実績や、どれだけやる気があるかをお話ししたところ、入部を認めてもらうことができました。この行動は、人生を大きく変えたターニングポイントだったと思います。小学生のころから16年間あきらめないで水泳を続けたことや、直談判までして大学の水泳部に入部した行動力は、就職活動のときの自己アピールにもなりました。あのとき水泳部への入部をあきらめていたら、現在とはまったく違う人生を歩んでいただろうなと思います。

 

青木佐知
キュートな笑顔からは想像もつかないくらいの体育会育ちだとか

── アナウンサー学校に通わずアナウンサーをめざす、スポーツ推薦入学者のみ許される水泳部の入部を監督に直談判するなど、行動力がすばらしいと思います。行動するうえでの原動力やモットーなどはあるのでしょうか?

 

青木さん:迷ったら「後悔の少ないほう」を選ぶことにしています。私は「絶対に後悔がない人生」なんて難しいと思うんです。どの道を選んでも、なにかしらの心残りがある気がしていて…。だからこそ、少しでも悔いることの少ないのはどっちだろうと考えています。それでベストをつくせるよう努力すれば、結果的に最良の人生になるんじゃないかなと。

 

実際のところ、私はこれまでの人生を振り返って「あのとき、あっちの道を選べばよかった」と思ったことがないんです。アナウンサーを目指したことも、夫である元プロ野球選手・青木宣親がメジャーリーグに挑戦する夢を一緒にかなえるために会社を退職したことも。アメリカで出産・育児をしたことも、すべて自分にとって大切なできごとだったし、ほかの道を歩んでいることは想像できません。結果的に、後悔のない人生になっている気がします。

 

それに、一度はかなわなかった夢も、時間を経て違う形でかなえてもいるんです。たとえば、選手としてオリンピックの出場は叶いませんでしたが、アナウンサーとしてオリンピックに携わることができました。自分のなかにきちんと信念があれば、形は違っても夢をかなえることはできるんだと感じています。