短大で「奪われた青春時代」を取り戻す日々

── 高校を卒業すると、短大に進学されました。そのころには、歩行器・車椅子を卒業して、杖だけで歩けるようになっていたそうですね。また、病気を発症した当初は水などの飲みこみ(嚥下)にも苦労されていたそうですが、短大に進学するころには飲食は問題なくできていたと聞いています。短大生活はまた違った世界になるかと思いますが、いかがでしたか?
しぶきさん:すごく楽しかったです!短大に入ってできた友達が、障がい者の前に、ひとりの人間として私を見てくれる人たちが多かったんです。障がい者だからといってとくに気をつかわれることもなく、みんなと同じように扱われることがとてもうれしかったですね。なんでも話せる友達もできて、どこにでも一緒に遊びに行って、奪われた青春時代を取り戻すかのように日々を謳歌しました。
短大に入って周りに恵まれたことと同時に、自分でもインターネットで「幸せになる方法」「楽になる生き方」みたいなワードで検索していて、どうやったら楽しく生きられるか調べていたんです。自分の身体は誕生日に借りたレンタル品で、死ぬときにいつか返す。いつか返すなら思いっきり使ってあげよう」といった内容にすごく感銘を受けて。私も自分に起きた出来事を発信してみようと思うようになり、在学中にYouTubeで配信を始めることになりました。
── 短大卒業後は会社務めはせずに、YouTubeの配信をしながら生活していたそうですね。その後、旦那さんとなる男性と知り合います。まず、どういった経緯で旦那さんと出会ったのでしょうか?
しぶきさん:隣の中学校の同級生でした。違う中学校でもときどき交流はありましたが、当時は知り合い程度で、みんなで1、2回マックに行ったくらいだったと思います。あるとき、女友達と街を歩いていたら、近くに数人の男性グループがいたんです。私の友達が偶然そのうちの1人と友達だったので話をしていると、そのグループの中にいたのが旦那さんでした。私はすぐにわからかったのですが、お互い名前を言うと「あのときの!」となって。