恋愛はしないと思っていたはずが

── そこからどうやって交際に繋がったのでしょうか?

 

しぶきさん:旦那さんから連絡先を聞いてくれたんです。私は短大に進学してからだいぶ前向きに生活できていましたが、恋愛に関しては別。自分は障がいを持っているし、この先も誰かに恋愛してつき合うこともないだろうと思っていました。でも、旦那さんが私と再会して懐かしさもあったのか、連絡先を聞いてきてくれて。その後は一緒に食事に出かけたり、遊びに行ったりと会う頻度が増えました。再会して1か月後にはつき合っていたと思います。

 

── 旦那さんには障がいについてどんなふうにお話をされましたか?

 

しぶきさん:交際をはじめた当初は自分から特に説明することはなかったのですが、旦那さんは、友達の噂で私が病気になって、障がいを持ったことは聞いていたらしいです。また、私のYouTubeが一度バズったことがあったのですが、見たことがあったらしくて。なんとなく状態を知っているようでした。交際が始まった後に、体のことは自分から少しずつ話をしていったと思います。

 

病気になってつらいことが続きましたが、短大に入ってからは特に世界が開けました。友達にも恵まれ、YouTubeの配信をスタートし、彼氏もできました。今まで家族や父の同級生の妹さん、そして友達など、たくさんの人たちに支えてもらいながら過ごしてきたおかげで、「心から楽しい!」と感じられる、充実した日々を過ごすことができました。

 

 

彼氏と交際をスタートさせたしぶきさんでしたが、わずか2、3か月で子どもを授かることに。当時は障がいを抱えて自分のことすら精一杯なのに、母親になることまでは想像もできなかったそうですが、健診でお腹の子が双子だとわかると、母親になる覚悟ができたそう。障がいを抱えた状態での子育ては苦労も多かったようですが、今は家族4人、幸せに暮らしているそうです。

 

取材・文/松永怜 写真提供/しぶき