高校生のときに指定難病の診断を受け、23歳で子宮頸がんを患った夏目亜季さん。医師からは出産をあきらめるよう告げられます。子宮を摘出してからはメンタルも不安定に。そんなとき、全面的に支えになったのは、母と後に結婚する夫でした。(全3回中の2回)
子宮頸がんを発症「出産はあきらめるように」と
── 元アイドルで東京都荒川区議会議員の夏目亜季さん。女性最年少議員として子宮がんワクチンの推奨と難病の理解を訴えていますが、それは自身の実体験からくるものだそうですね。10代から難病の全身性エリテマトーデス(SLE)と闘い、さらに23歳で子宮頸がんを発症しています。子宮頸がん発覚のきっかけは?自覚症状はあったのでしょうか。
夏目さん:不正出血がしばらく続いていました。ただ難病の治療のためにステロイドを服用していたので、そのせいだろうと思っていたんです。だけど友だちに何げなく話したら、彼女もたまたま子宮関係の病気になったことがあって、「早く病院に行ったほうがいいよ」とすすめられました。近所の小さいクリニックで検診を受けると、「もっと詳しく検査するように」とお医者さんに言われ、大病院を紹介されました。

そこで子宮頸がんと宣告され、まず頭をよぎったのは、子どものことでした。子宮頸がんは、妊娠・出産に影響を及ぼす可能性があります。まだ23歳だったので、子どもを産む可能性を残しておきたくて「卵子の凍結ができないか」とお医者さんにたずねました。「そのためには子宮に針を刺す必要があり、そうするとがんが飛び散るかもしれない」とお医者さんから言われたため、子どものことは断念しないといけませんでした。さらにリンパまで転移していることがわかり、もう絶望的な気持ちでした。