長女は部屋にこもり「誰にも相談できなかった」
── 思春期は親子関係の「距離感」がもっとも難しい時期ですよね。娘さんたちとの関わりで、悩んだことも多かったのでは?
宮川さん:次女はそうでもなかったのですが、長女は反抗期が激しくて、悩みが尽きませんでした。中3ころから部屋にこもりがちになり、いつの間にか会話はほとんどなくなって…。感情のやり場がなくなると、「パパがママを追い出した」と責められることもあって、胸が痛みました。夫婦の間ではいろいろ事情があったものの、結果的にそういうカタチになってしまったのは事実ですから「そうだね…」と受け止めるしかありません。でも、子どもの前で母親のことは絶対に悪く言わないと決めていましたし、娘も本心ではそう思ってないこともわかっていました。
── 頼れる相手が少ないなかでの子育ては、孤独も大きかったのではないでしょうか。気持ちを吐き出せる相手はいらしたのですか?
宮川さん:離婚を公表していなかったので、誰にも話せなかったですね。元妻とはときどき連絡はとっていたものの、深い話はせず、会うのは子どもの誕生日くらいでしたし、僕の母は高齢で、当時は離れて暮らしていましたから、頼ることはできない。唯一親友にだけ打ち明けましたが、「時間が解決するのを待つしかないよ」と言われました。
実際、その通りでしたね。こちらが近づこうとしても、扉は固く閉ざされたままで、開く気配はありませんでした。ですから、ムリにこじ開けようとはせず、「出てくるまで待つしかない」と決めたんです。