パニック発作を起こした過去…出産が不安に

── 出産は無痛分娩だったんですね。
石川さん:実は私、過去にパニック発作を起こしたことがあって。出産の痛みで何かしらのパニックが起こり息苦しくなったらどうしようと不安だったので、無痛分娩を選びました。出産時は痛くてパニックになっても、逃げられないし、止めることはできない。それで少しでも安心できる無痛分娩を選びましたが、なにが起こるかわからないため、すべての病院がパニック発作を経験した私のような人を受け入れてくれるわけではなくて。いくつかの病院で事情を話し、なんとかして受け入れてくれるところを見つけました。
── パニック発作が起きたきっかけはなんだったのですか?
石川さん:数年前に歯のホワイトニングに行ったときに、診察台の上で身動きがとりづらい状況に急に恐怖を感じてパニックになってしまったんです。それまでに何度もホワイトニングをしたことがあったし、よく通っていたクリニックでした。
なぜ、そのときに急にそうなったのかはわかりません。コロナ禍だったので知らない間に精神的にストレスが溜まっていたのかもしれません。まだ施術前だったので、事情を話してそのときはホワイトニングを中断して帰りましたが、それ以来、ホワイトニングには行けなくなりました。
── その後もパニック発作の症状はよく起きたのですか?
石川さん:ホワイトニングの直後は「さっきの状態はいったいなんだったのだろう」と思うくらい普通だったのですが、バスに乗ったらまた具合が悪くなってしまって。もともと狭いところが苦手だったので、それ以来、乗り物など密閉された空間や、自分で自由に動けない場所が苦手になってしまいました。心臓がバクバクして、不安になってしまう感じです。
その後、病院で診てもらうと、「その症状はパニック発作だろう」と。繰り返し起きるようなら「パニック障害」という診断になる、というようなことを言われました。お薬などで治療をしていましたが、結婚して子どもを妊娠するかもれないので、このまま薬を飲み続ける生活はまずいのではと思い、先生と相談しながら薬を徐々に減らしていきました。短時間のバスや電車の乗車は今では大丈夫ですが、やはり長距離の電車や飛行機、車も高速などは今でも怖いときがあります。どうしても乗らなければいけないときは、ガムを食べる、好きな音楽を聴く、仕事のアンケートを書く、本を読むなど、別のことで少し気をそらすように心がけています。