仕事中も坐薬を投与しなければならず

石川あんな、ゆってぃ
結婚後に趣味のランニングを楽しむふたり

── 不妊治療中、特に大変なことはなんでしたか?

 

石川さん:仕事をこなしながら不妊治療を行っていたので、スケジュール管理がいちばん大変でした。注射を1日1回、膣坐薬を1日3回で8時、14時、20時、飲み薬を6時、14時、22時に自分で行う必要があったのですが、注射は要冷蔵なので、その時間に自宅にいないと打つことができません。飲み薬の1回が朝6時だったので、毎日早起きをする必要もありました。仕事中もトイレに行かせてもらって膣坐薬を投与していました。とにかく治療が最優先で、毎日、薬や注射に追われる日々…。時間を間違えてはいけないプレッシャーがあるし、仕事と病院、薬などのスケジュールを合わせるのが本当に大変でした。

 

あと、不妊治療をしていることは母にしか言っていなかったので、周りの人たちから「子どもはつくらないの?」と聞かれるのがつらくて。悪気がないことはわかっているのですが、治療していることも言いづらく、難しかったです。

 

── それでも治療に前向きに取り組めたのは、ゆってぃさんの存在が大きかったですか?

 

石川さん:そうですね。病院に行った日はきちんと話を聞いてくれたし、治療に対して面倒に思うような態度もなかったので、すごく心強かったです。

 

あとは病院の先生にもすごく恵まれたと思います。治療中はネットなどでいろいろな情報や体験談を見てしまい、不安になることもありましたが、先生は不安を抱いている私にきちんと向き合って正しい知識を教えてくれました。また、治療についてもわかりやすい説明をしてくれるので、次の治療にステップアップするときも、不安なく納得して進めたと思います。

 

 

3度目の妊娠で出産することができた石川さん。妊娠生活ではうれしい気持ちが大きかったものの、過去にパニック発作を経験したことがあるため、出産に対して不安が大きかったそうです。ひどいつわりや切迫早産の危機を乗り越えて、出産日を迎えます。陣痛促進剤の痛さに苦しんだものの、ゆってぃさん立ち会いのもと、なんとか無事に出産できたそうです。


取材・文/酒井明子 写真提供/石川あんな