「衣装じゃないと気づかれない」ブレイク実感なく
── そこから一気に休みなしの生活になるんですね。
はまやねんさん:そうですね。年末に僕ら主体のカウントダウンライブを開いてもらい、その後、1時間半ぐらい寝て、始発で東京に行って元日の『爆笑ヒットパレード』に出演して、そこから年始の番組に出られるだけ出て。毎日そういう生活が続きました。
── 大阪から通っていたんですか?
はまやねんさん:そうです。3年目に東京へ引っ越すまでの2年間は大阪から通ってました。だから、一度上京すると朝から晩までスケジュールが詰め込まれるんですよ。当時はまだ深夜収録が余裕であったんで。「収録は深夜3時から始めます」みたいな…。CMだってなにを撮っているかもわからん状態でとりあえずやって、翌朝、始発で大阪に戻るみたいな生活でした。
── すさまじいスケジュールですね。若くないと難しそう‥‥。
はまやねんさん:そうですね、当時は体力的には大丈夫だったんですが、いまは絶対ムリですね。僕らと同じくリズム芸でブレイクしたオリエンタルラジオの(藤森)慎吾さんも、「いまやったら絶対ムリ」って言ってました。
── ちなみに、よく聞かれると思うのですが、最高月収ってどれぐらいでしたか?
はまやねんさん:月収は500万円です。ただ、死に物狂いで働いて、その額なんで…。
── いきなり月収500万円の生活になって、金銭感覚は狂わなかったですか?
はまやねんさん:僕はそんなに…。当時、お金はすべて親が管理していたんですよ。僕の口座には毎月30万円だけ振り込まれる生活で、金銭感覚は狂わなかったですね。僕自身、物欲はあんまりなかったので。

── 堅実ですね…!一気にスターダムに上がっていったお気持ちはどうでしたか?
はまやねんさん:当時は忙しすぎて、外を出歩くことはありませんでした。それに歩いていたとしても、テレビや舞台で着る衣装じゃなかったら気づかれない。だから、僕の感覚的には、自分が売れたのではなく、「はまやねん」ってキャラクターが、勝手にあの衣装を着て売れているだけ。「自分とは別のやつが売れている」という感覚でしたね。友人どうしの飲み会に行ったら、みなチヤホヤしてくれるんですけど、街を歩いていてもそんなに気づかれませんでしたね。
── 売れていちばんうれしかったことはなんですか?
はまやねんさん:『ダウンタウンDX』に出たことですね。当時、松本さんと初めてお会いして。ふつうにひとりの大学生の気持ちになってもうて、「うわ、まっちゃんおるやん。やっば!」みたいな(笑)。