「ラッスンゴレライ」は30分で生まれたネタだった

── ネタはずっと「ラッスンゴレライ」1本で、いっていたんですか?

 

はまやねんさん:というより、テレビでは「ラッスンゴレライ」しかさせてもらえなかったです。ラッスンゴレライの後に「お弁当箱の歌」とかいくつかネタを作ったので、「別のネタをさせてもらえないか」とお話ししたこともあるのですが、スタッフさんから「すみません。ラッスンゴレライでお願いします」と言われたので。いまはラッスンゴレライをやるべきだと思ってました。

 

そもそもラッスンゴレライも、ここまで売れると思って作ってなかったんです。30分くらいでできたネタなんで。

 

── どうやって生まれたネタなんですか?

 

はまやねんさん:NSC時代の課題で、翌日に披露する1分ネタを考えていたときがありました。その日は、もう深夜2時ころだったんですが、全然ネタが思い浮かばずに「どうしよう」と。そのとき相方が急に「ラッスンゴレライ」って言い出して。

 

── 急にですか?

 

はまやねんさん:そうです。ほんまに言い出したんですよ。それで僕が「なんやねん、それ。もうええからネタ作ろう」っていったら、「とりあえず、これを1本のネタにしよう」と。翌日、相方が「リズムに乗ってツッコむわ」と言い出して、「ちょっと待って、ちょっと待って、お兄さん、ラッスンゴレライってなんですの?」っていう、ツッコミができたんです。

 

僕ら的には「ラッスンゴレライ」のフレーズがおもしろいんじゃなくて、同級生である相方のことを「お兄さん」って呼んでいるのが、おもろいなってお互いノリで笑ってたんですよ。つまり、身内ネタでしかなかったんです。でも、見ている人は、僕らが同級生とか知らないじゃないですか。勝手に「ラッスンゴレライ」がひとり歩きしていました。

 

 

2014年「ラッスンゴレライ」でデビューからすぐに大ブレイクした8.6秒バズーカー。しかし、翌年から、徐々に勢いに陰りが見え始めます。新ネタを披露する機会も得られず、トークスキルがないからバラエティ番組の出演も惨敗。そして、SNS上で陰謀論が出回ったことも追い打ちをかけます。現在コンビの活動は休止中ですが、それでも中学時代の友人どうしなだけあって、「解散したい」とはお互いまったく思っていないそうです。

 

取材・文/市岡ひかり 写真提供/8.6秒バズーカー・はまやねん、吉本興業