映画監督の言葉に「とりあえずやってみようかな」

副島淳
バスケットに夢中になった中学時代。右が副島さん

── 芸能活動を始めたのはいつごろですか?

 

副島さん:大学生のころ、たまたまバスケ部のコーチの知り合いに映画関係者がいて、制作予定の映画でバスケットボールの3on3のシーンがあるから、主人公の敵チームとして出演する黒人選手を探していると言われたそうなんです。条件的にちょうどいいだろうと僕に声がかかり、そこで初めて映画の撮影現場に参加して、芸能界と触れ合うことになりました。

 

── 芸能界にはもともと興味はあったのですか?

 

副島さん:まったくないです。テレビや映画は見るもので、そこに出たいという気持ちは持っていなかったです。将来に関しては、実業団でバスケットボールを続けるつもりもなく、何かスポーツに携わる仕事がしたいな、という程度に漠然と考えていました。

 

── 映画の撮影現場はどうでしたか?

 

副島さん:ものすごく刺激的でおもしろかったです。普段、テレビや映画で見ているような俳優さんや有名人がいっぱいいて、ミーハーな僕はそれだけでテンションが上がりました。撮影には1週間程度の参加だったのですが、制作現場の皆さんと一緒に食事をさせてもらう機会があり、監督やカメラマンに「芸能の仕事やってみれば?」と言われたんです。そこで初めて、芸能界で仕事をすることを意識しました。その言葉がなければ「あー、撮影現場楽しかったな」で終わっていたと思います。

 

── 監督や制作スタッフの方の言葉が大きかったのですね。

 

副島さん:はい。大学卒業も近いし、特にやりたいことも夢もないから、「そう言ってもらえるならとりあえずやってみようかな」という考えでした。「ダメだったらやめればいいや」というくらいの軽い気持ちだったと思います。具体的に俳優になりたいとか、タレントになりたいとか、スポーツを生かした芸能の仕事がしたいとかいう目的も当時はありませんでした。