世界選手権への出場は「夫の協力のおかげです」
── たしかに小さいお子さんを連れていくかは迷うと思います。
白石さん:夫と話し合った結果、夫が日本で子どもの世話をしてくれることになりました。私は8日間、家を留守にしましたが、夫は在宅で働けるように調整してくれたんです。家事も育児も夫がひとりで取り組んでくれて、すごくありがたかったです。
最近は、練習時間がなかなかとれなくてドローンレースに選手として参加する機会は少なくなりました。でも、多くの人に魅力を知ってもらおうと、ドローンレースの企画運営、ドローンを使った映像撮影を中心に取り組んでいます。夫はとても協力的で、ずっと応援してくれています。以前、私が撮影で40日間家を空けたことがあったのですが、ほぼワンオペで過ごしてくれました。手がたりないときは、義母や九州に住んでいる私の母が来てくれています。いまでは、夫のほうが私より育児が上手なくらいです。

── 旦那さんをはじめ、周囲の人が応援してくれているのは心強いですね。
白石さん:子どもを授かったからといって、好きなこと、やりたいことを全部あきらめる必要はないんだな、と夫のおかげで感じられます。もちろん、家庭の状況やお子さんによって状況は変わるとは思いますが、まずは家族で話し合う大切さを実感したんです。パートナーと意見を交わすことで、お互いの気持ちを確認し合うことができるかもしれないし、育児と好きなことを両立する方法が見つかるかもしれません。
みんなに背中を押してもらい、出場した世界選手権はとても楽しかったです。緊張はしましたが、選手みなに仲間意識があってフレンドリーな雰囲気のなか、思いっきりレースに集中できました。結果はすべての女性選手のなかで真ん中くらいの順位でした。ドローンを始めて1、2年でこんな大舞台でレースができるなんて…と胸がいっぱいになりました。