これからは多くの人が興味を持てるように

── 世界選手権のとき、まだ赤ちゃんだったお子さんもすでに小学2年生。ママがドローンレーサーであることをどう思っているのでしょうか?

 

白石さん:娘にとってはドローンが身近にあるのが当たり前らしく、そんなに意識していないみたいです。ドローン自体にも興味はなさそうです。私が家のなかで練習をしていると「ドローンの音がうるさくて、テレビの音が聞こえないから静かにして」なんて言われます。私が難しい操作をして見せても、そんなに目に入っていないみたい。ドローンに興味がある子の前で同じ技を披露したら「すごい!」と、憧れの眼差しで見てもらえるんですが…(笑)。

 

彼女が赤ちゃんのころは、「いつかドローンで一緒に遊べたらいいな」と思っていたのですが、娘からしたら、興味のないことを押しつけられたら嫌だろうなあとも感じます。だから、ムリ強いするつもりはありません。それよりも、もし娘が興味のあることを見つけたら、全力でサポートしてあげたいです。私自身、大好きなドローンに取り組めているのは、家族の協力があってこそですから。

 

── 改めて、ドローンの魅力はどんな部分でしょうか?

 

白石さん:誰でも操作できて、気軽に楽しめるところです。体力もそこまで必要ではないため、ある程度、年齢を重ねてからも始められます。ドローンを通じて、世代や性別を超えた友だちができるのが大きな魅力ですね。ドローンは法律でいろいろと飛行できる地域や方法などが決まっていたり登録制度もあったりするので、初めての人にはやや難しい部分もあります。

 

ドローンの重さが100g以下だったり、室内だったりすれば、もちろん知っておくべき法律はあるものの、少し気軽にドローンが飛ばせます。私は2017年に妊娠したとき、つわりなどもあって遠出するのが難しかったんです。そこで首都圏に住んでいる人に呼びかけ、会議室などを借りてマイクロドローンと呼ばれる小さいドローンで練習をして、情報交換をするなどしました。最近ではドローン講習会なども多く開催しているし、意外と身近な存在になっている気がします。

 

2022年からは「無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)」という国家資格が開始されました。趣味としてドローンを飛行させたい場合は、必ずしも必要なわけではないのですが、国家資格を持っていなければできない飛行方法や条件でのフライトが可能になったり、申請や許可を省略できたりするなどメリットがあります。たくさんの人が興味を持ってくれたらいいなと思っています。

 

取材・文/齋田多恵 写真提供/白石麻衣