次女の出産後「ダメなところも私」
── 今回は、次女を出産後すぐテレビでお見かけしました。
AKINAさん:産後2か月でテレビの収録があり、そこから仕事復帰となりました。今回は、長女のときとは仕事に対するマインドがまったく違っていました。長女のときは、「産後で、こんなにむくんでいるし、私にはきっとできない」と自信をなくしてしまっていて。今回は「むくんでいるのも、ダメなことがあるのも、それも私!」といい意味で割りきれました。

産後3、4か月で、デビューのきっかけとなった沖縄アクターズスクールの完全復活祭にも呼んでいただいて。アーティストなら誰もが夢見る、日本武道館のステージに立たせてもらいました。もし長女のときに同じチャンスがあったとしても、受けていなかったかもしれません。12歳でデビューして、今もこうしていろんなことにチャレンジさせていただける環境には感謝しかありません。
── 去年公開の沖縄を舞台にした映画『不死鳥の翼』で主演をつとめ、今年のマドリード国際映画祭で最優秀女優賞を受賞されたそうですね。
AKINAさん:本当にびっくりしました。小さいころから始めた歌とダンスを続けながら、舞台などのお芝居の仕事もだんだんさせてもらうようになったのですが、20代は「なんでこんなにできないんだ」と演出家の方から叱られていたんです。演技は向いていないと自覚があるなかでのスタートだったのですが、続けてきたらこうしてご褒美をいただけて。ここまで来るのに20年もかかってしまったのですが、過去のどこかで諦めていたら辿り着けなかったと思うと、本当に続けてきて良かったなって。続けてきた人にしか見えない景色があることを知りました。
── 仕事に対する考え方が30代で変わったと思うことはありますか。
AKINAさん:10代、20代はやっぱりもがいていて。それに比べると、30代は自分らしく、過ごせていたなと思います。仕事の量としては20代が多かったですし、子どももいるので地方の仕事ができなかったこともあったんですが、今の方がよりしっかり歌えている気がするんです。質がよくなったといいますか、一つひとつの仕事に対する熱量が大きくなったように思います。
── 40歳のお誕生日を迎える今月は、バースデーライブも予定されているとのことですね。40代はどのように過ごしていきたいですか。
AKINAさん:年齢を重ねて、白髪も増えてきましたし、産後の体型の変化も気になります。「こんなところにお肉ついていたっけ?」と落ち込むこともありますが、勝手にやせなきゃと思っているだけで、別に誰にも迷惑をかけていないんですよね(笑)。もちろん日々いろんなことを学んで常にアップデートしていく必要がありますし、これからも努力を重ねていくつもりです。完璧ではない自分のことも認めてあげて、感謝の気持ちを忘れず、何事にも楽しんで取り組んでいける40代にしていきたいですね。
取材・文/内橋明日香 写真提供/AKINA