9年ぶりの出産と生理不順の過去

── 9年ぶりのご出産となりました。

 

AKINAさん:夫婦でずっと「いつか2人目がほしいね」と話していたのですが、タイミングや私と夫の年齢などもあり、この9年は私たち夫婦に必要な年月でした。願ってもすぐに授かれるわけではないので、現実的にときが経っていったという感じです。40歳を前にもう一度出産したいということも頭にはありました。私の母は「年子のほうが楽だった」と言っていたんですが、私の性格的にはきっとキャパオーバーになってしまっていたと思います。今は年の差で産んでよかったなと思っています。

 

AKINAさんと長女
「大きくなりました」沖縄の綺麗な海をバックに9歳の長女と

夫が今50歳なので、「ハタチになったら70歳か。まだ働いてるかな」なんて現実的な話もしますが、私も夫の両親も揃って元気で孫の誕生を本当に喜んでいるので、その姿を見るのは本当に幸せだなと思います。

 

── 妊娠も出産も奇跡の連続ですね。

 

AKINAさん:実は長女を妊娠する前、20代のときに生理が4年半も止まっていたことがありました。生理については正直、結婚するまで「来なくてラッキー」くらいに思っていたんです。

 

── 4年半も生理が来ないのは心配ですね。

 

AKINAさん:若いころは仕事が忙しく、生理が来るのが億劫でした。それにあのころは今のように簡単にネットやSNSで情報を得られる時代ではなく、かといって親に言ったら心配されそうだなとちゅうちょして。もし調べるとしたら本ですかね。今思えば本当に間違っていたなと思うのですが、婦人科に行くのは妊娠したときで、ピルを飲むことはイケイケな人がすること、という勝手なイメージがありました。

 

結婚をして、妊娠を望むようになってから初めて婦人科に行ってホルモンの値などを調べるブライダルチェックをしました。そこで、ストレスから排卵が止まっていると指摘されました。血流も悪かったようです。たしかにこの仕事をしていると、忙しくて疲れていても、自分を騙し騙しでやっているところはありました。どんなに大変でも「私、自分のしたいことをできているよね!」と自分に言い聞かせて、少しずつ無理をしていたんだと思います。結婚してからようやく自分の体に向き合って、病院に通いながら漢方や鍼治療なども行い、妊娠しやすい体になるよう整えていきました。結婚後、長女を授かるまでに数年かかったので、妊娠は本当に奇跡だと感じています。

 

── 今は情報が溢れていますし、小さいうちから性教育を行う土壌ができていますね。

 

AKINAさん:歌って踊っていたかつてのイメージで、周りから元気に見られることが多く、「自分は大丈夫」という気持ちがどこかにあったと思います。あまり運動をしていないとか、元気がなかったらきっと誰かから「病院に行ってみたら」と声をかけられることもあったのかもしれませんが、自分の生理不順について人に話すこともなく、そこまで重大な問題だとも思っていなかったんです。体を整え始めてようやく生理が来たとき、こういうと変な話ですが血を見て嬉しかったのを覚えています。

 

── その後も定期的に体のチェックをされているそうですね。

 

AKINAさん:女性特有の病気は自分の体なのに目で見えないことはたくさんあるので、婦人科に定期的に通って検査をしています。子育ては妊娠と出産がゴールではなく、その後、子どもとの生活がずっと続いていきます。やっぱり自分が健康でないと子どもを育てられないと思うので、結婚や出産をきっかけにより健康に気をつけるようになりました。今は簡単に調べて情報を得ることができますが、それをうのみにするのではなく、少しでも不安なことがあれば手遅れになる前に病院を受診して検査してほしいなと思います。

 

 

次女の出産後、数か月で仕事に復帰したAKINAさん。30代は自分らしく仕事ができたと振り返りますが、長女を出産後はあまり表に立つ仕事をしていなかったそうです。ベビーマッサージやベビーヨガのインストラクターとして活動するも、「どこか自分に自信をなくしていた」と当時の思いを振り返ります。今月、40歳の誕生日を迎えるにあたり、「完璧ではない自分も認めてあげたい」と語るAKINAさん。何事にも感謝の気持ちを忘れず、楽しく40代を過ごしていきたいそうです。

 

取材・文/内橋明日香 写真提供/AKINA