今になって気づいた娘と対話を重ねる大切さ
── お嬢さんの行動を見ていて、「私も昔はそうだったな」とか「昔の私を見ているみたい」と思ったことはありますか?
櫻井さん:娘は私とはまったく違うタイプですね。どちらかというと、性格は夫に似ていると思います。たとえば、娘は筋が通っていないことがあると怒るんですけど、私は「別にいいじゃん」と思うタイプ(笑)。でも、娘はそういうことがすごく気になるみたいで、マジメというか、ガンコなんですよね。長所と短所が紙一重みたいなところがあるので、そのつど「今のは長所だね」「今のは短所だね」という話をよくしています。
── 櫻井さん自身はどういうタイプなんですか?
櫻井さん:私は鈍感なタイプだと思います(笑)。でも、娘と夫は敏感で繊細なタイプなので、私がほかの人と会話しているときに、私が気にならなかったことに気づくというか。「あれはこういう意味合いだったよね」とか、言葉の裏を読んだりするのですごいなと思います。
── 家族みんなが敏感で繊細なタイプだとピリピリしそうなので、ひとりくらいは鈍感タイプがいたほうがいいですよね。
櫻井さん:私もそう思っています(笑)。あと、娘は気持ちをため込んでしまうタイプなんですよね。でも、娘はもう高校生ですし、私も反省したので、かつてのように私から過剰に聞き出すようなことはしませんが、娘が悩んでいるようすが見えたら手を差し伸べるようにしています。
── 18歳の女の子だと、お父さんとの関係はどうですか?
櫻井さん:一般的には「お父さんなんて」となる年齢だと思いますが、うちはすごく仲がいいですね。たとえば、夫が青春映画を観たいんだけど、ひとりで行くのはちょっと恥ずかしいなというときには、娘に声をかけて一緒に観に行っています。
── いい関係ですね。
櫻井さん:高校生の娘が父親と映画を観に行くなんて、ちょっと珍しいですよね(笑)。家族で旅行の計画を立てるときも積極的に参加してくれるので、親としてはうれしいことです。
── 櫻井さんが10代のときはどうでしたか?
櫻井さん:私は一般的によくいる田舎の高校生で、家族よりも友達とのつき合いのほうが大事でした。とくに中学生のときは「父親なんてイヤだ。話したくもない」「父親が座ったところには座りたくない」と思っていて、典型的な思春期を送っていました。だから、娘と私では真逆ですね(笑)。
── お嬢さんは櫻井さんが俳優をしていることに対して、どう思われている感じですか?
櫻井さん:純粋に喜んでくれています。私が出た作品はチェックしていますし、私がテレビに出ることはうれしいみたいですね、
──「私もやってみたい」となりませんか?
櫻井さん:ならないみたいですね。娘はそういうタイプではないので(笑)。それにやっぱり芸能界は大変なので、選ばなくてよかったんじゃないかなと思います。
── 櫻井さんはこの道を選んでよかったですか?
櫻井さん:もちろん、私はよかったと思っています。この世界に入るまでは本当に地味な性格で、「人前に出るなんて…」というタイプだったんですけど、スカウトされて芸能界に入り、人前でお芝居をすることで自分に自信がついてきたところがあるので、この業界に入ったからこそ今の私がいるなと思っています。