今年、長女が18歳になり、新成人を迎える櫻井淳子さん。娘との関係を「とても仲よし」と話す櫻井さんですが、かつては自分では気づかないうちに過干渉な母親になっていたといいます。反省と後悔を繰り返したという子育てについて語ってくれました。(全2回中の2回)
自分よがりだった娘への思い

── 小さかった娘さんも今年の8月で18歳。新成人となる年齢を迎えられ、いよいよ子育て卒業間近になってきたかと思います。今の心境は?
櫻井さん:まだまだ子どもだなと思うことが正直、多いですね。成人の年齢が18歳に引き下げられましたが、その子の性格にもよると思うんですよね。それこそ、いちはやく自立したいと思う子もいれば、うちの子のように「聞いて、聞いて」と言ってくるタイプの子もいて。私からすると「この子は本当に自立できるのかな?」と思いますし、娘が成人を迎えるという感覚はまだないですね。
── 先日は娘さんと一緒に「東京ディズニーシー」に行かれたそうですね。高校生にもなると友だちとのつき合いを優先しそうな気もします。娘さんとは、とても仲がいいんですね。
櫻井さん:「ママと行きたい」と娘が言ってくれたので、一緒に行きました。ただ、今は本当にいい関係性が築けていますが、娘が小学校の高学年くらいのときは「どうなっちゃうんだろう…」と不安でいっぱいでした。
── というのは?
櫻井さん:娘の反抗期が小学5、6年生から始まって。私が言うことに対して、とにかく反発するんですよね。どう対応したらいいのか悩みましたが、その原因は私にあったんです。私はひとり娘だからいい子に育てたいという思いがどうしても強く、あれこれ言い過ぎてしまっていたんですよね。娘が動く前に「ああしたほうがいいわよ」「こうしたほうがいい」と指示しすぎていて、娘は私の言葉にがんじがらめになっていたんだと思います。
でも、当時の私はまったくそこに気づいていなかったので、娘からしたら「いいかげんにしてよ!」となるのは当然のことで。娘を大切に思う気持ちが過保護を超えて、過干渉にまでなってしまったんですよね。
── 過干渉は自分では認識しづらいと思いますが、どうやって気づかれましたか?
櫻井さん:周りから「心配しすぎよ」と言われ始めたのもありますが、家族から「ちょっとやり過ぎなんじゃない?」と言われたことが大きかったです。私としてはすべて娘のことを思っての行動だったので、なんの疑問も抱いていなかったのですが、あるときに義母から「たまには習いごと休ませてもいいんじゃない?」「(習いごとの)振替なんて、しなくてもいいんじゃない?」と言われたことがあって。でも、そのときの私は娘の気持ちを確認することなく、「習いごとは娘のためなんだから、どんな事情があっても休むべきではない」と決めつけていて。
── かたくなだったんですね。
櫻井さん:義母たちはそこに気づいてくれていたんですけど、当時の私は自分が過干渉だとは思っていなくて。義母の「まずは第一に娘の気持ちが大事でしょ!」という言葉にハッとし、やっと「私は頭が固くなっていたんだ」と気づきました。
── 子どもへの「過干渉」は、ときに「毒親」になることもあります。
櫻井さん:そうですよね。私は娘のためだと思っていましたが、今考えると、どこかに「娘を自分色に染めたい」という気持ちがあったのかもしれません。とくにうちはひとり娘なので、そういう気持ちが強かったんでしょうね。だけど、これでは娘を潰してしまうと反省し、彼女の考えを尊重するようになりました。
── 自分が過干渉な母親になると想像していましたか?
櫻井さん:まったくなかったですね。私がそういうふうに育てられていないので、まさか自分がそうなるとは思いもしませんでした。