1998年から2003年まで続いたドラマ『ショムニ』で魔性のOLを演じ、人気を博した櫻井淳子さん。仕事先で出会った男性と30歳で結婚、34歳で女の子を出産しました。しかし1年後、仕事復帰した撮影現場が京都だったことから、子どもと離れ離れの生活になってしまい ──。(全2回中の1回)
『ショムニ』のハマリ役も「私自身とは全然違った」

── 櫻井淳子さんといえば、『ショムニ』(1998〜2003年・フジテレビ系)で演じられた魔性のOL・宮下佳奈のイメージが強く残っている方が多いかと思います。長く続く人気シリーズとなりましたが、当時、魔性のOLを演じることに抵抗はなかったですか?
櫻井さん:なかったと言ったらウソになりますね。今までに演じたことのないタイプだったので、どうしたら魔性に見えるか、仕草や微笑みを志向錯誤しながら演じていました。ただ、原作もあったので、それを参考にしたり、監督や共演者からアドバイスもあり、少しおとぼけ感も入れたりしていたので、かわいらしさも多少あったのかもしれません。
── たしかに、佳奈は男性たちをメロメロにする魔性の部分がありつつも、ショムニのメンバーからいち目置かれる存在でした。櫻井さんのおっしゃる「おとぼけ感」をプラスしたからこそ、同性からも好まれるキャラクターになったのでしょうね。
櫻井さん:実はシリーズの最初と最後ではキャラクターが若干、変化していて。それは私だけでなく、みんなそうだったんですけど、佳奈はシリーズが進むにつれて「おとぼけ感」がより増していった感じがあったと思います(笑)。
── 櫻井さん自身と佳奈が重なる部分はありましたか?
櫻井さん:まったくないですね。私は(佳奈のように)色気を発するタイプじゃないですし、「実際に会ってみると、全然違うんだね」と、よく言われていました(笑)。
──『ショムニ』のメンバーとは、今も年に一度は会われているそうですね。
櫻井さん:人事部の野々村課長を演じられていた伊藤俊人さんの命日に、毎年集まっています。『ショムニ』を撮影していた当時は、朝から晩まで一緒にいたので、みんな家族のような存在でした。今、思い返しても、本当にステキな現場だったと思います。
── 櫻井さんが25歳のときに始まった『ショムニ』ですが、シリーズ最後となったスペシャルドラマ『ショムニFOEVER』(2003年)のときには30歳になられていました。その間、俳優として変化したことはありましたか?
櫻井さん:『ショムニ』の前までは苦労したときもありましたが、『ショムニ』以降は本当にありがたいことに仕事が回るようになってきました。そこから『おみやさん』シリーズ(2002~2014年・テレビ朝日系)に出演させていただいたりして、知名度はあがっていったんですが、自分の実力が伴っていないという思いはずっとありました。とくに『おみやさん』では大先輩の渡瀬恒彦さんとご一緒させていただいて、圧倒的な実力の差を感じて落ち込むこともありました。