北米で絶大な人気を誇るアメリカンフットボールの世界最高峰・NFL。フロリダ州ジャクソンビルに本拠地を置くジャガーズのチアリーダーチーム、ロアーで昨年まで6シーズン連続でチアリーダーを務めた本田景子さんは社会人3年目までチアの経験はなかったそうです。そこから──。(全2回中の1回)
社会人3年目 チア未経験で富士通のチームに合格し

── 本田さんが本格的にチアリーダーを始めたのは社会人3年目の2007年とのこと。ほかの方と比べると少し遅い印象ですが、なぜ社会人になってからチアリーダーを始めたのですか。
本田さん:実は高校時代に大学の文化祭でチアリーダー達の演技を見てひと目惚れして、そのときからずっとチアリーダーになりたいと思っていました。それまで大学受験で疲れていた心がとても元気になりました。でも学校には部活がなかったんです。それで大学ではチアリーダー部に入りたいと思っていましたが、自分が想像したものとは少しギャップがあって、ダンスサークルに入ってダンス力を磨くことにしました。
学校、ダンスの習い事、バイト、ダンスサークルと充実の日々でした。就職後は仕事が大変でダンスから少し離れていましたが、3年くらい経って仕事に慣れたころに「何かやりたいな」と考えるように。それがチアリーダーだったんです。いくつかチームを受けたなかで合格したのが富士通のチアリーダー部でした。ダンス経験があったとはいえ当時チアはまったくの未経験。本当によく受かったなと思います。
── 周囲は経験者が多かったと思います。未経験でチアになって大変なことや苦労が多かったのではないでしょうか。
本田さん:富士通のチアリーダー部に所属しているメンバーはチアの大会で優勝を経験したことのあるような実力者ばかり。まったく経験のない私がいきなりすごい実業団に入ってしまったので、最初はノイローゼになるくらい大変で。当時は商社に勤めていたんですが、仕事が大変な時期だったときは帰宅するのが毎日23、24時。チアのイベントがあるときは有休を使って対応するなど、両立させるために、本当に目まぐるしい日々を送っていました。