「ツイてない」「あんなことがければ」と、何かのせいにして、うまくいかないと思いこんでしまう人もいるでしょう。強運と言われる川合俊一さんは、運をどこからたぐり寄せているのか。その話には生きるヒントが詰まっていました。(全4回中の4回)
女子高生界隈で川合さんの待ち受けがブームに?
── 元バレーボール日本代表選手で、引退後は解説やタレントとしても活躍。現在は日本バレーボール協会の会長として手腕をふるう川合俊一さん。占い師のゲッターズ飯田さんが「芸能界最強の運の持ち主のひとり」と評するなど、その強運ぶりが話題になり、「川合さんの写真をスマホの待ち受けにすると運気が上がる」という噂も…。最近ご結婚された元アイドルの方や、タレントの岡田結実さんも実際に待ち受けにされていると話題になりました。こうした噂、川合さんご自身はご存じでしたか…?
川合さん:そう言われているのは知ってます。最初に聞いたのは2019年ごろ。旧知のテレビ局の方に「うちの高校生の娘が、川合さんの写真を欲しがっているので1枚いいですか?」と言われて、なんでだよ、おかしいだろって(笑)。「川合さんの写真を待ち受けにするのが女子高生の間で流行っているらしくて」と言われて、ビックリしましたよ。だって、おじさんが女子高生の待ち受け画面って…。
── 女子高生の間でそんなジンクスが(笑)。そもそもブームのきっかけは何だったんですか?
川合さん:ゲッターズ飯田さんに占ってもらったとき、「ものすごい強運の持ち主。芸能界でもトップレベルに運がいいです」と言われたのが始まりです。それを知ったメイクさんやスタイリストさんたちが、僕の写真を待ち受けにし始めて「運気が上がった」って言い出して。
その後、ある番組内で岡田結実ちゃんが「川合さんを待ち受けにしてます」と話してくれて、そこから一気に広がったみたいです。自分でも「運がいい」という自覚はあるんですけど、こうして人の待ち受けになるのは、なんだか不思議な気分ですね。
── 具体的には、どんなところで「運がいい」と感じるのでしょう?
川合さん:僕、もともとスポーツに向いているタイプじゃなかったんです。活発でもないし、動くのも嫌い。だけど、親父に言われて中学校のとき、バレー部に入ったら、たまたま強い選手がそろっていて、全国大会に初出場。僕自身はレギュラーギリギリの微妙なポジションでしたが、強い選手と一緒にもまれて練習してきたおかげで、9つの高校から推薦をもらい、バレーの道に進みました。
大学時代に全日本代表に選ばれたのも、当時のレギュラー選手がケガをして、たまたま出番が回ってきたからなんです。もしも、その選手がケガをしていなかったら、僕は代表になっていなかったかもしれない。だから「ツキ」はあると思います。

振り返ると、関わったところが、ことごとく栄えてきたという感覚があります。大学卒業後に入った富士フイルムでは、ちょうどレンズつきカメラ『写ルンです』が大ヒットして株価が爆上がり。芸能界へ進んでからは、出演したレギュラー番組が次々と視聴率トップになったり、スポーツキャスターを務めたテレビ局が視聴率三冠王を取ったり…。
「素直」でいることが運を引き寄せるのかも
── なるほど、たしかに強運の持ち主ですね。ご自身では、その「運のよさ」は、どこからきていると思いますか?
川合さん:僕自身に何か特別な能力があるとはまったく思っていないんです。もともと自分の意思で道を切りひらいてきたというよりも、周りから「これ、やってみたら?」と勧められたことを素直にやってきただけです。
── なんだか意外です。みずからグイグイ行くタイプだと思っていました。
川合さん:よくそう言われるのですが、じつは人前にでるのは苦手なんです。バレーボールは親に勧められて始めたし、メディアに出ていたのも「バレーを盛り上げたい」という思いと責任感から。選手時代の取材でも「あ、こっちきた…。別の選手のところに行ってくれないかな」と、思っていたくらいです(笑)。

スポーツキャスターや番組の司会も、周りに勧められて断れずに始めたけれど、いざやるとなったら、全力で向き合います。せっかく期待してくれた人たちを裏切りたくはないし、その思いには応えたい。だからこそ途中で投げ出さずに、やり続けてこられたと思います。その繰り返しのなかで、次の扉が自然と開かれていった、そんな気がしています。僕の運のよさって、もしかしたら「流れに抗わないこと」なのかもしれません。