意外な病気歴「帯状疱疹や鼻の手術も」
── 他人からはわからない事情って、ありますよね。そうした経験を経て、健康への意識は変わりましたか?
川合さん:自分の身体にちゃんと向き合うようになりました。昔はあまり寝なくても平気だったんですが、パニック障害を経験してからは、「休息はしっかり取らなきゃダメだな」と痛感するように。寝られるときはしっかり寝る、できるだけ疲れる前に、休息をとることを意識し、食事も栄養バランスよく摂るようにしています。
── 40代のときには、帯状疱疹も経験されているそうですね。
川合さん:41歳のときですね。やはり疲れと寝不足が重なっていた時期でした。ひたいから左目の横にかけて、神経に沿ってボコボコとしたできものが出現。触ると、まるで枝豆が埋め込まれているような感触でした。ニキビにしては一気に出すぎだし、変だなと思ってかかりつけ医に聞いたら帯状疱疹だと判明しました。
目のすぐ横だったので、「すぐ眼科へ行ってください。放っておくと失明しますよ」と言われ、まずは目の治療を開始。「いまはいい薬があるけど、10年前だったら失明してたかもね」と言われ、ゾッとしました。左目がふつうに開くようになるまでに2か月。ただ、ピリッと針でつつかれるような感覚はその後もずっと残っていて、完全に治るまで1年近くかかりました。
── 帯状疱疹は、すごく痛いと聞きますが…。
川合さん:僕の場合、さいわい薬で抑えられるレベルでしたが、服が触れるだけで痛いというケースも聞きますよね。ただ、顔だったので、メディアに出るときはずっと眼鏡をかけてごまかしたり、左目を意識的に見開いてしゃべったりして、けっこう苦労しましたね。ストレスや疲れが引き金になるみたいなので、それ以来、気をつけるようにしています。
── お顔といえば、昨年、鼻の脂肪腫も手術されたとか。インスタグラムで手術跡の写真を見ましたが、すごく痛そうでした。
川合さん:5年以上前から鼻の横、目に近いあたりに脂肪の塊のようなものができ始めていたんです。最初は気にしてなかったのですが、「どうしたんですか?」「蚊に刺されてますよ」と言われることが増えて。行きつけの病院に相談して、形成外科を紹介してもらいました。
ところが「芸能人の顔を切るのはリスクがある」と手術を断られてしまって。ほかの病院でも同様の反応をされ、病院探しが大変でしたね。それに、顔の麻酔ってあんなに痛いなんて思いませんでした。鼻の周辺に5か所も麻酔をしたんですが、何十年ぶりに「痛い!痛い!」って、叫んでしまったくらい(笑)。でも、手術の仕上がりは完璧で傷跡もまったく残っていません。担当してくださった医師には感謝しています。
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バレーボール選手として全日本の主将を務めたり、五輪などの大舞台も経験してきた川合俊一さん。さぞ強心臓の方かと思いきや、じつは警戒心の塊だとか。防犯グッズコレクターの一面は、そうした警戒心が原点のよう。ただ、つねにリスク管理をして先読みする姿勢をもち、バレーボールの現役時代の得意プレーは「ブロック」だったと明かしてくれました。
取材・文/西尾英子 写真提供/川合俊一