ギリギリ「認知症じゃない」と判定された診断

── 夫婦は結婚生活が長くなると家でも別々に過ごし、会話もなくなりがちだと思います。ご自宅でのおふたりはどう過ごされていますか?

 

橋本さん:うちはけっこう話しますね。私が今日あった1日のできごとをワーッとしゃべって、夫は黙って聞いています。たいてい私がキッチンで料理をしながら話しかけていて、夫はテレビを見ながら生返事をしているんです。こいつ聞いてないなと思って、「さぁ、それではここで問題です。私は今日のお昼、誰とランチしたでしょう?」とクイズを出すと、「誰々ちゃんでしょ」と正確に答えるから、あれ聞いていたんだ!と思って(笑)。

 

あと、最近は夫が私のスケジュールを公私ともに管理しているので、そこでの会話も必要です。私が「何月何日誰々ちゃんとご飯に行く」と伝えると、夫が自分のカレンダーに書き込んでいくんです。それで、「その日は打ち合わせ入っているよね?」なんて感じで、いつも教えてくれています(笑)。

 

── 優しいですね!

 

橋本さん:というのも、私の物忘れがひどすぎて。1つのことをやると、次のことをすぐ忘れてしまうんです。夫には「お前は3歩歩いたらもう忘れる。ニワトリだ」なんて言われるくらい(笑)。ゴルフ場にキャディバッグを置いて帰ってきたこともあれば、ロッカーキーを持って帰ってきたり、高速に乗ったらETCが入っていなかった、なんてこともありました。

 

橋本志穂
現在はゴルフにハマる橋本さんのベストスコアは79

最近は台本の覚えがずいぶん悪くなってきました。今後の仕事にも影響するかもしれないと危機感を覚え、大学病院で一度、認知症の検査をしています。病院で「今日は何月何日ですか?」「何曜日ですか」などいろいろ質問をされ、なんとか答えることができました。検査は一応クリアしたけれど、「あと2問間違っていたらアウトでした」と、先生に言われています。髄液検査をすればもっとはっきりしたことがわかるらしいけど、そこまでは…と思ってしませんでした。

 

夫も年のせいか「大丈夫かな」と思うことが増えました。先日は、夫が車庫入れをしていたときに車を荷物にコツンとぶつけてしまって。たいしたことはなかったからいいけれど、いままでだったら絶対にそんなことはなかったので、心配です。この前は目が痛いと言い出して、眼科に連れていったんです。そうしたらお医者さんから「もううちではムリです。もっと大きな設備のある病院を紹介しますから、そこで治療してほしい」と言われてしまいました。ドライアイが進みすぎて、もう目が傷だらけだそうです。加齢によるトラブルはやはりいろいろ出てきています。