結婚して30年、40年と経つにつれて、夫婦はお互いの体や脳の衰えを感じながら、そこにイライラを感じるか、しかたないと許せるか。そこが意外と夫婦円満の分かれ目かもしれません。橋本志穂さんの話を聞いて思うことでした。(全3回中の3回)

調理師免許があるのに自宅で料理はしてくれない

── たけし軍団のメンバー、ガダルカナル・タカさんの奥さまで、アナウンサーやタレントなど幅広く活躍されている橋本志穂さん。素顔のタカさんはどんな方ですか?
 

橋本さん:家ではいつもダラーっとしていて、もうただのおじさんです(笑)。家事は何もやらなくて、基本的に私がすべてしています。夫は調理師免許を持っているので、作ればうまいけど、作らないですね。ただ、私は地元が福岡で「九州男児は家のことをやらない」のが当たり前に思っていて。うちの父も家事をいっさいしなかったので、私がその状態に慣れてしまっているんだと思います。一度だけ、私が不在のときに夫が洗濯物をたたんだことがあったのですが、もうクシャクシャで、全部たたみ直すはめになっちゃう。だったら、何もしてくれなくていいかなと思っているんです(笑)。

 

── テレビに映るタカさんはパリっとしたダンディな感じで見えますが、そこはふだんとのギャップでしょうか。

 

橋本さん:テレビに出ているときはスイッチが入るのか、やっぱりシャキッとするみたいです。家にいるときと比べると、見た目がマイナス10歳くらい若くは見えるかもしれません。テレビに出るときだけではなく、一歩でも外に出ると変わります。夫はタレント意識がすごく強い人。

 

近所のコンビニだろうが、犬の散歩だろうが、出かけるとなるときちんとした格好をするんです。それでいて、私を頭の先からつま先まで見ては溜息をつき、「(すっぴんを)出し散らかして。お前もタレントなんだから、どこで誰に見られているか、わかんないでしょ」と言われます。せめて帽子やマスク、メガネで隠せば、ということです。

 

橋本志穂
夫婦でプロレス観戦に

「誰も私だって気づかないから大丈夫だよ」と言っても、「100人に1人でもお前だってわかったら、俺が嫌なんだよ」なんて怒られます(笑)。